稲津暢の「できるビジネスマンはなぜゴルフがうまいのか」第9回~予算をかけても上達しなければ無駄
ゴルフがうまいビジネスマンは予算配分が上手
昨今はゴルフの世界でも、最新のテクノロジーを搭載した機器が次々と開発されています。かつて、ゴルフ上達のためにはトライ&エラーを繰り返して試行錯誤することが大事だと言われてきましたが、今はテクノロジーによってエラーが起こりづらくなっています。
その証拠に、PGAツアーでは近年、50台のスコアが立て続けに記録されています。昔は無理だと思われた限界値をあっさりと超えてきたので、近い将来さらなる好スコアが記録されることでしょう。
最新機器を使用したレッスンを受けるのは、それなりの金額がかかります。ゴルフを始めたばかりで大きな金額を投じるのは、勇気がいるかもしれません。
でも、1回のレッスンが1万円前後であり、それが上達に役立つと分かっているのであれば、受けてみてもいいんじゃないかと僕は思います。
予算をかけても上達しなければ無駄になる
1回1万円のレッスンが高いかどうかは、その人の収入がいくらかどうかにもよりますが、決して安くない金額だと思います。
でも、その金額は出せないからといって、1ヶ月3000円のグループレッスンを選んだとしても、1年間通ったら36000円になります。
それで上達するのであればいいのですが、上達しなかった場合、結局トータルでいくらかかるのか分からなくなります。毎月少しずつ払うというのは、クレジットカードのリボ払いと一緒で、合計金額を自分で考えなくなることにつながります。
自分で払える予算を決めてから取り組むのも選択肢の一つ
僕がコンサルタントの仕事でお客さんに提案書を書く際、工数と金額に応じてどのようなゴールを提供できるかでプランをいくつか考えます。
ゴルフの上達もそれと一緒で、予算として出せる金額を何段階か設定して、この金額だったら、このレッスンが受けられるといったプランニングをしてみてもいいと思います。
ゴルフでも予算の計画を立てて、どれくらいの成果を出したいかを明確にしてから取り組むのが、優れたビジネスマンの発想です。
教えてくれた人:稲津暢(いなつ・とおる)さん
1979年生まれ。國學院大學経済学部卒、テキサス州立大学大学院にて経営学修士(MBA)。MBA取得後にプロ宣言し、PGAツアーのマンデー予選を中心にアメリカのミニツアーに参戦。その後、国内大手コンサルティング会社に入社し、基幹業務システム導入やマーケティング戦略立案に従事。2008年、IF Business Consulting株式会社を設立。企業経営者に特化したゴルフレッスンとコンサルティングサービスを提供している。
構成/保井友秀(ゴルフライター)
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