桐林宏光の「メンタル強化術」第1回~「肝心なパットほど入らない」を撲滅するメンタルトレーニング術

桐林宏光の「メンタル強化術」第1回~「肝心なパットほど入らない」を撲滅するメンタルトレーニング術

写真/Getty Images

「これを入れたらパー」など、いいスコアがかかったパット。あるいは正反対に「これを入れなきゃ、このホールのスコアが2ケタになっちゃう」など、崖っぷち気分で打つパット。ゴルフのラウンド中は、強い緊張を感じながらパットを打つシーンが何度か訪れる。そういう肝心なパットにかぎって、必ずといっていいほど入らないはなぜだろう。プロゴルファーでも優勝がかかると50センチのショートパットが入らないことがある。

スポーツメンタルトレーニング指導士の桐林宏光プロによれば、「特別なパットという思いが強すぎるからです。大事であるという意味づけをやめれば、パットが入る確率はグンと高まりますよ」という。肝心なパットが入らないのを改善するためのメンタルトレーニング術を聞いてみた。

パットにネーミングするのをやめる

「肝心なパットに対して、大事であるという意味づけをやめる」という桐林プロのアドバイスはよくわかる。だが、「いうは易し行うは難し」である。いくらパーパットを「これはダボパットなんだ。ダボパットと思って気楽に打てばいいんだ」と自分に刷り込んでも、緊張はほぐれない。そして案の定、そのパーパットは入らないものだ。

「まずは、『パーパット』とか、『入れダボ』とか、そのパットに名前をつけるのをやめましょう。これを入れたらパーと思うから、余計なプレッシャーがかかるのです。名前をつけるのは、そのプレッシャーをあおるばかりです」

では、どのような思いで大事なパットに臨めばいいのだろう?

「パットの現象そのものだけを考えることです。例えば、1メートルのスライスラインのパットなら、『1メートルのスライスを打つ』とだけ考える。いくら『パーパットだ』、『これを絶対に入れるんだ』などと気合を入れても、気合や目力でパットは入らないのです。だったら現象だけを認識して、付録感情を排除しましょう」

「それをやりさえすれば入ること」に集中する

もちろん、1メートルのスライスラインの打ち方がわかっていなければ、メンタル以前の問題としてパットは入らない。だが、1メートルのスライスが打てる技術があるのなら、どんな緊張のパットでも沈めることができるという。

「『パーパット』と意識してしまうと、なぜかインパクトが強く入ったり、手首をこねてしまったり、いつもと違う動きが出てしまいがちです。でも、『1メートルのスライスライン』とパットの現象だけを認識することで、自分がやるべきことに集中しやすくなるんです。フェースをここに向けて、振り幅はこのぐらいでと、『それをやりさえすれば入ること』を整理して、実践する。パットを打つ過程に、余計な感情が入り込むスキを作らないようにすることがコツです」

これはどういうパットかという目の前の現象を認識、把握し、やるべき手順のひとつひとつに集中する。それができれば、どんなチキンハートの持ち主でも「肝心なパットが入らない」と嘆くことは激減するという。ぜひ、普段のパットから習慣づけておきたい。

教えてくれた人: 桐林宏光(きりばやし・ひろみ)プロ

1964年生まれ東京都出身。大学卒業後にゴルフを始める。社会人入学で、筑波大学大学院体育研究科体育方法学に入学しスポーツ心理学やメンタルトレーニングを学ぶ。日本女子プロゴルフ協会ティーチングプロフェッショナル会員A級。日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士。
文/及川愛子(ゴルフライター)

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