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新!平野茂の100切りラウンド術 第1回~10ヤード刻みでアイアンを打つコツ

新!平野茂の100切りラウンド術 第1回~10ヤード刻みでアイアンを打つコツ

80台を目指す域まで達したゴルファーは、常にパーオンはできないとしても、グリーンを外すのであれば、次のアプローチで寄せワンが狙える場所に落とせるくらいまで、アイアンショットのレベルを上げることが必要になってくる。その際に必要になってくるのは、方向性よりも縦の距離感の精度。

多くのゴルファーを90切りに導いてきた平野茂プロは、アイアンショットのレベルを一段階上げるには、距離感の誤差を少なくすることが重要だと明かす。番手ごとに約10ヤードのピッチで打てるようになることが目標だ。

その方法を伝授してもらおう。

左右のブレよりも縦の距離感のブレを少なく抑えよう

アイアンショットのレベルを上げるには、左右に曲がることはよくあるとしても、どの番手でもフェースの芯に当てて「縦の距離感」の誤差を少なく抑えることだ。

縦の距離感とは、例えば7番アイアンで150ヤードを打ちたいときに、大体145~155ヤードの幅の中でボールを打てることを指す。左右に10ヤード外してもいいが、ミスして手前に30ヤードも40ヤードもショートするのはNG。たまたま160ヤードも飛んだりしては自分の距離感は永遠に把握できない。

「縦の距離感のブレを少なくするにはミート率を上げることが先決です。7番アイアンは平均で150ヤードのキャリーが打てる人なら、何回打っても150ヤードが打てるようになることを目標にしてください。その際のインパクトの感触とか打音を一定させるように練習に励んでください」

距離感の縦のブレは前後で最大で10ヤードと考えよう。クラブの番手1つ分の誤差が生じるのは避けたいところだ。7番で150ヤードなどの目標数字はないので、実際に芯を食ったショットの飛距離の平均でそれぞれの番手の飛距離をつくればいい。100切りゴルファーがよくやってしまうように、一発いい当たりが出て170ヤードも飛んだとか、芯を外して100ヤードしか飛ばなかったという繰り返しでは90の壁を突破できないというわけだ。

8割のスイングを心がければインパクトの感触が安定する

縦の距離感のブレを少なく抑えて、アイアンショットのレベルを上げるにはインパクトの感触や打音を一定させることが重要なポイントになる。

「ビシュッ!」という小気味のよい音と手ごたえのある感触がつねに感じられるようにし、「カーン!」とトップ気味に当たって飛びすぎたり、少し手前をダフって「ドン!」と鈍い音がしたりしてしまうなどのミスショットの回数を極力減らしていきたい。

「フェースの芯を外しやすい人に多く見られるのがマックスのフルスイング。要は振りすぎです。余力を残した8割くらいのスイングを心がけてください。ツアープロもアイアンは8割程度で振っています。やってみるとわかるのですが、飛距離まで8割にはなりません。ただし、インパクトを緩めてはいけません。また、ボールを上げようとしてはインパクトで左のお尻が浮くような体勢となりますから、右のお尻を浮かせるくらいの気持ちでボールを上からヒットしましょう」

ドライバーは飛距離が欲しいクラブだが、アイアンは狙ったターゲットに運ぶためのクラブだ。ツアープロも実践している8割スイングを心がけて、芯を食うこと。芯を食ったらその飛距離を平均化して、自分の番手ごとの距離を把握することが大切だ。

グリーンは10ヤード以上の幅があるので、自分の距離がわかればパーオンの回数が増えるし、仮にグリーンを外したとしても、絶対に手前は避けなければならないならば、大きめの番手を持つなどコースマネジメントも工夫できるようになってくる。

教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ

1973年9月29日生まれ。早稲田大学卒業後、プロ野球選手を目指すが、ゴルフに転向。2007年にJPGA公認インストラクターの資格を取得。東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、チーフインストラクターとして多くのアマチュアを指導している。師匠は叔父の中山徹プロ。
構成/三代崇 撮影/田辺恵理 撮影協力/フラットゴルフフィールド

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