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新!平野茂の100切りラウンド術 第9回~遠心力を使いこなしてドライバーのミート率を上げる

新!平野茂の100切りラウンド術 第9回~遠心力を使いこなしてドライバーのミート率を上げる

100切りを目指す人はドライバーショットの安定感を増すことが、スコアの安定感を増すことと直結する。

次に90台のスコアを安定して出せるようになった人が、80台のスコアを達成するにはさらにもう1段階、ドライバーの精度を増していくことが大事になる。当たらなくてフェアウェイまで届かないなど致命的なミスをなくすためには、ミート率の向上が最大のテーマとなる。

多くのゴルファーを90切りに導いてきた平野茂プロは「ミート率のアップには遠心力を使いこなせるようになる必要がある」という。

ヘッド側を持ってフルスイングする練習で遠心力を体感する

今のドライバーはクラブの中でも一番シャフトが長いため、遠心力が一番大きく発生する。この遠心力は、ボールを大きく飛ばすためのパワーにもなるが、このパワーをコントロールできないと、飛距離も方向性も悪くなって、致命的なミスへとつながる。

ドライバーを1ラウンド通じて、安定して飛ばして、安定してまっすぐ飛ばすには、遠心力をつかいこなすことが身につけなればならない技術となる。遠心力をコントロールするためには、ボールとの距離感が一定すること、そして、腕の通り道が一定になることが重要であると平野茂プロは語る。

そこで即効性のある練習法を紹介してもらった。

「ボールから少し離れて立ち、ドライバーのヘッド側を持ってアドレスします。そしてグリップの先をボールに当てないように思い切り空振りする練習をしてください。ボールの代わりに大きめのゴムボールなどを使ってもいいでしょう。90切りを目指すレベルの人でもシャフトの先を案外ボールに当ててしまうものですが、これは遠心力をコントロールする力がまだついてない証拠です」

野球のバットやテニスラケットはグリップの延長に重心、または芯があるが、ゴルフクラブはグリップやシャフトの延長に重心も芯もない。シャフトの根元の先に重心と芯が存在するという特異な道具だ。それを頭で理解していながら、ヘッド側を持ってフルスイングしたときにシャフトの先がボールに当たってしまうのは、通常のスイングでもヘッドをうまく操作できるだけの能力がないからだと平野プロはいうのだ。

遠心力をコントロールするコツをつかめばミート率がアップ

試しにクラブを通常に持ち、目をつぶってスイングしてみよう。

本当はヘッドを感じながら振らなくてはならないのに、スイングの途中でヘッドの感覚が飛んでしまい、シャフトの先がフェース面の芯の感覚になっていないだろうか。つまり、シャフトを振るだけの操作に終始してしまっているということだ。

だからスイングの途中で遠心力に負けて理想的な軌道から外れたり、ヘッドが遅れてフェースが開いて当たったりしてミート率がなかなか上がらないのだ。

「ヘッド側を持つとクラブがとても軽く感じられるし、シャフトのしなりも使えません。でも続けて思い切りスイングしているうちに、振ることに集中できるようになります。その反面、遠心力に負けてしまう自分がよくわかります。ダウンスイングからインパクトにかけてシャフトの先が膨らんでボールが当たらなくてすむ力加減をキープし、遠心力に負けないように振ることが大事です」

100切りでは遠心力を使ってスイングすることを学習したが、90切りを目指すには遠心力をコントロールする力をつけることが課題となる。ヘッド側を持ち、何回フルスイングしてもボールの手前側を同じ軌道で空振りできるようになれば、遠心力がコントロールできるようになる。これができれば、ミート率が上がって、安定して飛ばすことができ、ドライバーでストロークを失うことを防げるようになる。

教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ

1973年9月29日生まれ。早稲田大学卒業後、プロ野球選手を目指すが、ゴルフに転向。2007年にJPGA公認インストラクターの資格を取得。東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、チーフインストラクターとして多くのアマチュアを指導している。師匠は叔父の中山徹プロ。
構成/三代崇 撮影/田辺恵理 撮影協力/フラットゴルフフィールド

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