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新!平野茂の100切りラウンド術 第4回~ドライバーの突発的な大ミスを防ぐ2本のライン

新!平野茂の100切りラウンド術 第4回~ドライバーの突発的な大ミスを防ぐ2本のライン

90台のスコアが安定して出せるようになった人は、ドライバーの曲がり幅が格段に少なくなってきていることだろう。フェアウエイキープといかないまでもラフで止まり、セカンドショットでグリーンを狙える回数も増えてきたはずだ。

そこからパーセーブのチャンスが広がるし、悪くてもボギーで収まる。ここまでくれば80台のスコアはもう目前といっていい。

ところが好事魔多しとはよくいったもので、ここ一番でドライバーが大きく曲がってしまい、OBまでいかなくても林や急斜面に打ち込んで結果は大たたきという経験はないだろうか。こうなると90切りどころか再び100以上の大台に…。

こんなはずでは…という苦い経験が、誰しもあるに違いない。

多くのゴルファーを90切りに導いてきた平野茂プロは「こうした失敗は上級レベルへの途上にあるゴルファーによくありがちなケース」だと語り、「スイングの欠陥を直すことで減らすことができる」という。さっそくその方法を聞いていこう。

飛球線よりも自分のスタンスの位置をメインに考える

安定したショットを打つには、ボールと目標を結ぶ飛球線を明確にイメージすることが重要なポイントになる。

しかし、自分が飛球線の上にいるわけではなく、飛球線に沿ってクラブヘッドを動かそうとすると、スイングがおかしくなる一方だと平野茂プロはいう。

「ゴルフの上手な人は自分が立っている位置を通っているスタンスのラインと、ボールのある飛球線ラインの2本をしっかりと把握しています。そして自分は軸を中心にしてクルクルと回るだけ。ということは、飛球線上にヘッドが直線に動くことはないわけです。しかし、そうすることでボールがターゲットに向かってまっすぐ飛んでいく結果となるのです」

90台のスコアは出るが、どうしても80台が出ないという人は、ボールが飛んでいくラインに気をとられ、体の軸回転を忘れてフェースをまっすぐに動かそうとしてしまうのだ。

するとフェースローテーションができなくなり、ボールのつかまりが悪くて目標よりも右に飛び出すことが多くなる。

これを克服しないと、ドライバーを使う14ホールのうち、ちょっと狭かったり構えにくかったりすると、そのホールで大ミスが出てしまう。

飛球線のイメージも大事だが、それ以上にスイングプレーンをしっかりイメージしてクラブを振るということが重要なのだ。まっすぐクラブヘッドを出していきたいという欲を抑え、インサイドインに振れるかどうかだ。

線路の上に立っているイメージで体の軸回転を心掛けよう

プロたちは自分が立っている方向、つまりスタンスラインよりもずっと右側にボールが飛んでいくイメージがあるという。スタンスラインよりも左側に飛んでいくイメージは一切ない。平行な2本のラインがイメージできているからだ。

だから、ショットを打つ際には線路のイメージがとても重要になる。ターゲットに向かってどこまでも平行に続く2本のレールがあって、右側のレールは飛球線のライン、左側は自分のスタンスのラインというわけだ。

「この2本のラインはどこまでも平行です。アドレスしたときの自分の体とボールとの距離を保ちながら、体をスムーズに回転させればボールを正確にヒットできます。クラブヘッドを飛球線のライン上に直線に動かそうとするとインパクトからフォロースルーにかけて右肩が前に出やすくなり、それが思わぬミスを招くことになるのです」

野球のバッティングだってベースの上を通過するボールを打つわけで、自分がベースの上にいるわけではない。バッターボックスに立っている自分の位置をメインに考えるからボールと打てるのだ。

この記事最初の写真は、飛球線に対して平行に立ち、スイングプレーンに沿ってクラブヘッドを緩やかな曲線を描くように振ることをイメージ化したものだ。これができるようになってくると、ドライバーの精度が格段に上がり、構えにくいホールや狭いホールでもドライバーが大きく曲がってスコアを崩すということがなくなってくるだろう。

教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ

1973年9月29日生まれ。早稲田大学卒業後、プロ野球選手を目指すが、ゴルフに転向。2007年にJPGA公認インストラクターの資格を取得。東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、チーフインストラクターとして多くのアマチュアを指導している。師匠は叔父の中山徹プロ。
構成/三代崇 撮影/田辺恵理 撮影協力/フラットゴルフフィールド

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