関浩太郎の「30パットに収めるパッティングテクニック」第9回~まっすぐ転がすには「顔と地面を平行にすること」が重要
顔面を地面となるべく平行にすると方向性が安定する
パットの方向性を安定させるには「アドレス3原則」が大事であり、そのうちの1つが目と目を結んだ「アイズライン」とストロークラインを重ねることだとお話ししました。
続いて「アドレス3原則」の2つ目は、顔面を地面とできるだけ平行にすることです。
たとえばボクがスマートフォンの画面を見る際、画面を上に上げたら、顔が自然と上がります。画面を下に下げたら、顔が自然と下がります。このような動きは本能的に行っています。
画面を上に上げたのに、顔は正面を向いたままだったり、画面を下に下げたのに、顔は正面を向いたままだったりしたら、画面が見づらいですよね。でも、ゴルフのパッティングは、このような状態で打っている人がけっこういるんです。
ショットのアドレスとパットのアドレスは異なる
なんでそのようなアドレスになってしまうかと言えば、ドライバーからアイアンまでボールから離れて立っており、ボールを斜め方向から見ていますから、それが自然なアドレスと錯覚してしまうからかもしれません。
ただ、これらのクラブはボールを上げることを目的にしているのに対して、パッティングはボールを転がすことを目的にしているわけですから、分けて考えたほうがいいです。そして、せっかくボールの近くに立てるのですから、真っすぐ転がすのに適したアドレスがあります。それが「顔面と地面を平行に近くすること」なのです。
顔面と地面の距離は気にしなくてOK
実際にパットの名手と言われる人たちのパッティングを見てみると、皆さん顔面と地面を平行にして構えています。
ジャンボ尾崎さんはパターを吊り上げるようにして平行に構えていますし、青木功さんは腰をかがめて平行に構えています。顔面と地面との距離は違いますが、向きは同じなのです。
顔面と地面が平行に近ければ、アドレスの形は不格好でもかまいません。それこそパットに形なしです。格好を気にするのではなく、どうやったらストロークラインを直視できるかということを意識しながら、パッティングスタイルを確立してみてください。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/中野義昌
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