関浩太郎の「30パットに収めるパッティングテクニック」第7回~4秒以内に打つ!距離感を発揮するロングパットのセットアップ術
ロングパットの距離感がない人なんていない
ロングパットがカップに寄らなかった時、一緒に回っている人から「おまえ、距離感ないな」と言われたりすると思います。でも実は、「距離感がない」という言い方は間違っています。距離感がない人なんていないんですよ。
たとえば、少し離れたところにあるゴミ箱に、ゴミをポンと投げます。その時、ゴルフのパッティングみたいに半分しか届かなかったり、2倍の距離を投げたりしてしまうことは、ほとんどないと思います。ゴミ箱に入らないにしろ、ゴミ箱の周辺には投げられるはずです。
別に歩測なんてしなくても、目で見て「このくらいの力加減だな」と判断して、それに近い距離にだいたい投げられます。これは距離感があるということです。
距離感が「ない」のではなく「発揮できていない」だけ
それなのに、ゴルフのパッティングになると、まるで「距離感がない」ようになってしまうのには理由があります。ゴミを投げる時と、パッティングの時、絶対的に違うことが一つあります。それは、目標を見ているか、見ていないかの違いです。
ゴミを投げる時は、ゴミ箱をずっと見ながら投げます。すると、「あのくらい遠いぞ」という情報が常に入ってきますから、「このくらいの力加減で投げろ」という反応が絶えず送られてきます。
しかしながら、パッティングの時は、打つ直前はボールを見なくてはいけませんから、目標であるカップを見ることができないのです。それなのに、アドレスしてからボールをジッと見つめ、精神集中なんてしていたら、本来持っている距離感を発揮できなくなります。目をつぶったままゴミを投げるような状態になってしまうのです。
ボールに視線を戻してから4秒以内に打つのがポイント
ロングパットの正しいセットアップは次の通り。
まず目標をジッと見ながら素振りをして、ボールをチラッと見ます。もう一度、目標をジッと見ながら素振りをして、ボールを見ます。そして、ボールに視線を戻してから4秒以内に打ってください。
なぜ4秒以内かというと、人間がパッと見た物を正確に覚えていられるのが、だいたい4秒なのだそうです。それを境に記憶が薄れていくらしいです。
だから、ボールに視線を戻してから精神集中しているヒマなんてないんですよ。そんなの適当でいいから、「あのくらい遠いぞ」という記憶が残っているうちに打ってください。
「あのくらい遠いぞ」と思いながら素振りをすれば、本来持っている距離感が発揮できますから、自然と振り幅が決まります。あとは、その記憶が薄れない4秒以内に打ってください。これでロングパットは必ず寄ります。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/中野義昌
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