関浩太郎の「30パットに収めるパッティングテクニック」第10回~パターは寝かせたらソン!立てるほど易しくなる「アドレス3原則」
パターを寝かせて構えるとストロークが安定しない
パットの方向性を安定させるには「アドレス3原則」が大事であり、1つ目は「目と目を結んだアイズラインとストロークラインを重ねる」こと、2つ目が「顔面を地面とできるだけ平行にすること」だとお話ししました。
「アドレス3原則」の3つ目は、「パターを寝かせずに構えること」です。
パターには必ずライ角がついており、地面の上に置いてある状態だと安定していますが、ストロークが始まって地面から離れると、ヘッドは垂直方向に垂れようとします。この垂れようとする力と、プレーヤーが支える力が均等になった時、初めて真っすぐ引けます。
それなのに、パターを必要以上に寝かせて構えている人がけっこういます。
これだと垂直方向に垂れようとする力が強くなり、プレーヤーが支えるためにも強い力が必要になり、バランスを取るのが難しくなってしまうのです。
シャフトを立てれば立てるほど安定しやすくなる
パターを構える際はできるだけシャフトを立てたほうが、ストロークが安定します。実際、ライ角が90度のパターを作ったら、ストロークがものすごく安定するんですよ。
でも、ゴルフのルールを司るR&A(ゴルフの世界的な総本山)は、「パターのライ角を80度以下」と決めています。なぜかと言えば、パットが入り過ぎてしまうからです。
R&Aは、「ボールが飛び過ぎないように」とか「入り過ぎないように」とか、うまくいかないようにしてゴルフの面白さを保つ組織です。その人たちが禁止するということは、シャフトを立てれば立てるほどやさしいということです。それなのに、シャフトを寝かせたら損なのです。
トゥ側を浮かせるよりもヒール側を浮かせるべき
シャフトを寝かせてヘッドのトゥ側を浮かせて構えているのであれば、まずはソールがべったりと地面につくように戻してください。そして、スムーズに打てるようになったら、今度はヒール側を浮かせるように構えてみてください。方向性だけで見れば、そのほうが安定するはずです。
これらの「アドレス3原則」をすべて実践すれば、パットの方向性が格段に向上します。ただし、ストロークを安定させるためには、方向性よりも距離感が大事という大原則は忘れないでくださいね。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/中野義昌
関浩太郎の「30パットに収めるテクニック」記事一覧
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