関浩太郎の「30パットに収めるパッティングテクニック」第5回~上りのパットと下りのパットでは曲がり幅が変わる
上りのパットと下りのパットでは曲がり幅が変わる
アマチュアの方のパッティングを見ていて感じるのは、「上りと下りでグリーンリーディング(ライン読み)を変えていない人がけっこう多いな」ということです。
たとえば、右に30度の傾斜だったら、上りでも下りでもカップ2個分、左を狙うといった具合です。でも、上りは強く打ちますから、そのぶんだけ曲がりません。下りは弱く打ちますから、より曲がります。つまり、上りは曲がり幅を薄く読んで、下りは曲がり幅を厚く読みます。
これは鉄則なんですけど、忘れている人が多いです。
上りはテンポを速く、下りはテンポを遅くする
それと、上りのパットと下りのパットでは、ストロークのテンポが変わります。パッティングの適性の速さは1分間に85拍のスピードですが、これは平らなグリーンで一般的な速さのグリーン(スティンプメーターで8フィート前後)での話です。
上りのパットでは、ストロークのテンポを1分間95拍にして、下りのパットでは、1分間75拍にします。
これはグリーンの速さが変わる場合も同様で、7フィート以下の遅いグリーンであれば1分間95拍、10フィート以上の速いグリーンであれば1分間75拍にします。
なぜテンポを変えるかというと、振り幅を変えたくないからです。2メートルのパットは2メートルの振り幅で打ちたいんですよ。そうすると、テンポが変わってくるわけです。
上りのパットと下りのパットで振り幅を変えるという考え方もありますけど、これもまた相当な経験が必要になってきます。それよりもテンポを変えたほうが絶対に距離感が合います。振り幅を変えるには経験が必要ですが、テンポは数字で変えられますから、経験は関係ありません。
上りは95拍で薄く読み、下りは75拍で厚く読む
これをまとめますと、上りのパットは1分間95拍で曲がり幅を薄く読み、下りのパットは1分間75拍で曲がり幅を厚く読むということになります。
同様に、7フィート以下の遅いグリーンは1分間95拍で曲がり幅を薄く読み、10フィート以上の速いグリーンは1分間75拍で曲がり幅を厚く読むということになります。
テンポを変えることでインパクトの強さが変わりますから、同じ振り幅でもボールが転がる強さが変わります。振り幅は変えずに、3種類のテンポを身につけて、上りと下りの距離感を合わせるのが、最もシンプルな打ち分け方になります。
教えてくれた人 関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/中野義昌
関浩太郎の「30パットに収めるテクニック」記事一覧
(1) 練習するならロングとショート編 - (2) 1分間85拍が精度を上げる編 - (3) ストロークな適正な幅とは編 - (4) 入るより停めることが大事編 - (5) 上りと下りの曲がり幅編 - (6) ショートパットの苦手意識編 - (7) ロングパットのセットアップ術編 - (8) ミドルパット精度向上編 - (9) 顔と地面を平行にする編 - (10) アドレス3原則とは編 - (11) パットを安定させる屋内練習編 - (12) 全てのショットは繋がっている編