ジュン羽生が答える!第12回・フォロースルーは大きく!練習で正しいスイングを身に付けよう
ゴルフにおけるフォロースルーとは、球を打った後の動作のこといいます。このフォロースルーには、そこまでのスイングの良し悪しが現れるため、正しいフォロースルーを意識できれば、スイング全体が良くなります。
ではどのようなフォロースルーが正しいのでしょうか?
過去の成績からミスター29の異名を持ち、数々のゴルフスクールも経営する羽生淳一プロに教えてもらいましょう。
正しいフォロースルーとは
フォロースルーでは、もうボールが打ち出されてしまっているため、その後どういう形になろうとも、ボールに影響を与えることはありません。
大切なのはズバリ「インパクト」です。
インパクトは、ダウンスイングからフォロースルーのクラブの動きによって起こる現象です。ですから、正しいダウンスイングから、正しいフォロースルーへクラブが動けば、必然的に正しいインパクトになります。
そこで、フォロースルーの形をチェックすることで、正しいインパクトになっているかをチェックすることが出来ます。
正しいフォロースルーのチェックポイントをお教えしましょう。
正面からのチェックポイント
両手が真っすぐ伸びているか?
右手が左手の上にあるか?
頭が目標方向に倒れていないか?
体重が左足のかかとにしっかり乗っているか?
クラブは胸の正面にあるか?
この5つができると、フォロースルーが必然的に大きくなり、スイングも美しく見えて、周りから「上級者?」と思われる可能性も。自分のスイングとこの形を比較してください。
後方からのチェックポイント
前傾姿勢の角度をキープできているか?
飛球線後方から、グリップエンドが見えるか?
後方からはこの2つです。前傾姿勢の角度が乱れると、あらゆるミスが出てしまいます。ヘッドアップと言われることが多いですが、前傾の角度が保てずに身体が起き上がる=ヘッドアップになり、トップやミスヒットの原因となります。
飛球線方向から、グリップエンドが見えると、プロレベルのスイングでしょう。プロのスイングを連続写真で見ると、グリップエンドがしっかりと見えます。ゴルフ雑誌などでチェックして、ご自身のスイングと比較してみましょう。
正しいフォロースルーを身に付ける練習法!
フォロースルーの形が決まると、スイングプレーンが正しくなり、正しいインパクトになる可能性がとても高くなります。インパクト直後からフォロースルーまで正しい動きになる練習法をお教えします。
動きはとても簡単です。構えたらそのままテイクバックせずにボールを打って飛ばすだけ。動画で動きを確認してみてください。
この動画で特にチェックしてほしいポイントは下記の通りです。
正面から確認した際、「頭が目標方向に流れずにインパクト以降も動いていないか」という点です。頭を残し、左足踵に体重をかけて、両腕を伸ばして飛ばしていくのが理想です。
イメージとしては、静止状態よりも頭は飛球線後方に動かし、その反動でクラブが飛球線方向へ放り出され、両腕が伸びてボールが飛んで行くように動いてみて下さい。動画で見ると頭は飛球線後方に動きませんが、この動きを覚えることでボールを勢い良く飛ばすことが出来ます。
飛球線後方からのチェックポイントは、グリップエンドが見えるようにすること。左腕を回旋させていくことで、正しく手首を返すことができ、クラブがスイングプレーンを綺麗になぞったフォロースルーになります。
フォロースルーを大きくすることって必要?
よく、フォロースルーは大きくした方がいいと言われますが、これは正しいのでしょうか?
これについて羽生プロは、「コンパクトなトップから、大きなフォロースルーがオススメ」と言っています。
コンパクトなトップの方が、フォロースルーは大きくなりやすいので、美しいスイングというと、大きなフォロースルーが重要なファクターになるのです。
トップが大きくなる、つまり、オーバースイング気味になると、インパクト直前のヘッドスピードが最大になる可能性が高くなります。一方、コンパクトなトップからであれば、インパクト直後のヘッドスピードが最大となり、ダウンブローに打ちやすくなるというメリットがあります。
フォロースルーが大きいと、スイング的にも美しく見えるので、もしスコアが悪くても「今日はたまたま調子が悪かったのか?」と周りの人は勝手にそう思ってくれます。羽生プロも「スイングはカッコよく」というのがとても大切な要素だと教えているそうです。
羽生プロに聞く、フォロースルーのコツ
こう言ってしまうと元も子もないのですが、ゴルフはインパクトが一番大切です。ですから、テイクバックからバックスイングは、あくまで準備です。そして、フォロースルーは結果に過ぎません。
テイクバックとバックスイングでしっかり準備できれば、ゴールであるインパクトからのフォロースルーまでクラブを正しく動かすことができるはずです。逆に言えば、フォロースルーをチェックするだけで、正しく準備して、正しくスイングしているかが、一目瞭然になります。
インパクトからフォロースルー、この形をしっかりチェックすると、スイングの問題点が見えてくると思います。この連載を読んでくれている方で、フォロースルーの形が上手く作れないなら、今一度、テイクバック、バックスイング、ダウンスイングを読み直して、ドリルに戻る。この繰り返しで上達していくはずです。
教えてくれた人: 羽生淳一プロ
1984年生まれ、茨城県出身。サンクチュアリゴルフスクール代表、JGTOツアープロ。
取材協力・ライター:T島
1963年生まれ、広島県出身。中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。毎日更新のブログ「アナライズT島の商売してまっせ~ vol.3」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。ベストスコア68。
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