ジュン羽生が答える!第8回・楽しく上達できるアプローチ練習法
スコアアップするためには、飛距離アップよりも、アプローチの上達が求められます。それにも関わらず、「練習する機会が少ない」、「単純なアプローチ練習はつまらない」など、おろそかにしているアプローチ練習。
また、そもそも練習法がわからないという人も多いと思います。
そこで今回は、過去の成績からミスター29の異名を持ち、数々のゴルフスクールを経営する羽生淳一プロに、楽しく上達するアプローチ練習法や上達のコツを聞いてみました。
アプローチは楽しく練習しよう!
初心者ゴルファーのほとんどが、アプローチの練習をあまりしていないと思います。確かに、アプローチの練習は単調になりがちで、「どうせボールを打つならドライバーを打ちたい」と言う気持ちはわかります。
特に都心部では、練習場のボール代が高いので、距離の短いアプローチはなんだかもったいないと感じてしまいますよね。
しかし、アプローチにはスイングの基本が詰まっていますし、しっかりと練習すると、スコアアップは早いです。上級者はむしろアプローチをすごく練習しています。
「アプローチの練習はボールを打つだけがすべてではありません。距離感を鍛え、クラブヘッドをコントロールできるようになればいいのです。そのためにボールを使わない練習も取り入れてみてください」
こう語る羽生プロのアプローチ練習法を紹介していきたいと思います。
ボールを打たない練習法 (1) クラブと友達になる
サッカーの選手がボールを地面に落とさず、キックやヘディングなどを駆使し「リフティング」をしているのを見たことはありませんか?
サッカー上達のためには、「ボールと友達」になることが大切と言います。同じようにゴルフでも「リフティング」をすることで、「クラブと友達」になることが大切です。
必要なものは、ゴルフクラブ(9番アイアンやPWなど)とゴルフボールだけです。イメージはこんな感じ。以前にタイガー・ウッズがCMでやっていたやつです。
アプローチは、クラブヘッドをコントロールして、フェース面を上手く使うことが大切です。また、ゴルフクラブを使ったリフティングを続けるためには、クラブヘッドをコントロールして、フェース面を上手く使う必要があります。
ゴルフボールリフティングを続けていれば、肘を柔らかく使ってフェース面をコントロールする感覚が覚えられ、遊びながらアプローチが上達します。
ボールを打たない練習法 (2) ボールを下手投げして距離感を養う
アプローチで、クラブのフェースコントロールに加えて大切なのが距離感です。しかし、アプローチの距離感はボールを沢山打たないと覚えられないと考えている人も多いはずです。
そんな方におすすめなのが、ボールを下から投げて転がしてみたり、ボールを高く上げてみたりすることで距離感をやしなう練習です。
アプローチは、キャリーとランの比率をイメージできるようになると、実際クラブを使ってアプローチしても、頭に描いたイメージに近い球が打てるようになります。
ボールを打たなくても、アプローチのフィーリングがとても良くなるので、遊びながら試してみて下さい。
練習場で効果的にアプローチ練習をするには
続いて紹介したいのは、楽しくアプローチ練習をする方法です。好奇心とゲームっぽさをキーワードに、楽しい練習方法をご紹介します。
練習場でのアプローチ上達法 (1) 難易度を上げる
練習場でするアプローチの練習は、20ヤード、30ヤードなど距離表示の書いてある看板を狙って打つという単調なものになりがちです。
しかし、練習場のマットは人工芝で、ヘッドを滑らせてくれるため、実際のゴルフ場の芝の上と異なり、少しぐらいダフっても、ミスがミスになりません。そのせいもあり、「簡単じゃん」と思ってしまい、すぐに練習を止めてしまう傾向があります。
そこでおすすめは、難易度を上げた練習です。コースでのアプローチの難易度に近づけるべく、練習場のマットをずらして、ぎりぎりにボールを置いて打ってください。
少しでもヘッドが手前に入ってしまうと人工芝にクラブがひっかかり、ボールを打つことができません。
この練習で注意してほしいのは、短い距離だけのアプローチで練習すること。失敗するとかなりの衝撃のため、フルショットは絶対しないでください。
練習場でこの練習を繰り返していれば、コースで自信を持ってアプローチできるようになります。最初はボールとマットの端までの距離をボール1個分ぐらい空けて練習して、徐々に間隔を狭くしていきましょう。
練習場でもコースと同じぐらいの難易度にすることで、「出来るのかな?」と好奇心が湧いて、練習にも熱が入るはずです。ギリギリに置いてボールだけを打てるようになったら、かなり上達しているはずです。
練習場でのアプローチ上達法 (2) ターゲットを変えてアプローチ合戦
一人では出来ませんが、練習場の看板やグリーンを狙って、友達同士でジュースでも賭けて、どっちが目標に近づけるかゲームしながら練習しましょう。この場合、同じ場所を狙わずに毎回目標を変えて下さい。
目標を変える理由ですが、ゴルフは同じ場所を狙って何度も打つ事が無いからです。ボールはつねに1球。同じ場所からプレーするのは、OBを打ったときだけです。毎回ターゲットを変えることで、自分のイメージと振り幅を調整して、アプローチの距離感を育てて下さい。
羽生プロがオススメする、自宅でうまくなるアプローチ練習グッズ
アプローチの上達のコツは、楽しんで練習することです。練習が自信になり、コースで成功すれば、更に自信が深まり練習が楽しくなります。
スコアメイクの鍵を握るアプローチは、フルスイングするわけではありませんから、室内でもちょっとしたスペースがあれば練習することができます。もちろん通常のゴルフボールを打つと危険ですから、安全に練習できるグッズを紹介していきましょう。
アプローチ用マット
まずはアプローチ用のマットです。絨毯やパターマットの上からでもできないことはありませんが、床に衝撃が伝わるために、マンションだと下の階から苦情が来ることがあります。
その点、ソールにゴムがあるマットだとある程度衝撃を吸収してくれるので、アプローチ用マットを購入することをオススメします
やわらかいボール
ゴルフボールの代わりになるスポンジボールは自宅でのアプローチ練習には欠かせません。できれば打感や球の重さを感じやすい物を選んで下さい。
タバタのスピナーボールは、スポンジボールにはなかなか無いしっかりとした打感で、ボールの上がり具合もスポンジボールの中では、実際のゴルフボールに近いのでオススメです。
ターゲット付きネット
ターゲットは、パターマットやシンプルなネットでもいいですが、ターゲットが多いと単調にならず楽しめます。高さも打ち分けられるとさらにいいでしょう。
上達したいならアプローチ練習は必須
自宅で練習する際には、家具やペット、お子さんなどにはくれぐれも気をつけてください。
とにかくアプローチをたくさん練習すると、自然と上達していくはずです。ですから、コースにアプローチ練習場がある場合は、練習打席に行かずにしっかりとアプローチの練習をして下さい。芝の上からの練習が一番上達の近道です。
練習場や自宅でとにかくボールを打って、ボールと友達になって下さい!
教えてくれた人: 羽生淳一プロ
1984年生まれ、茨城県出身。サンクチュアリゴルフスクール代表、JGTOツアープロ。
取材協力・ライター:T島
1963年生まれ、広島県出身。中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。毎日更新のブログ「アナライズT島の商売してまっせ~ vol.3」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。ベストスコア68。
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