ジュン羽生が答える!第7回・ミスをしないアプローチの打ち方とコツ
アプローチの時に、トップやダフリなどのミスが多く、なかなかスコアがまとまらないと悩んだ経験はありませんか? アプローチが上手く打てるかどうかで、100を切れるかが決まると言っても過言ではありません。では、ミスをしないアプローチの打ち方とはどういったものなのでしょうか?
そこで今回は、グリーン周りから確実にカップに寄せることが出来るアプローチのコツを、過去の成績からミスター29の異名を持ち、数々のゴルフスクールを経営する羽生淳一プロに教えてもらいました。
アプローチの打ち方の基本は転がし
まずは、基本的なアプローチの打ち方について説明していきましょう。
アプローチを失敗しないためには転がしが1番
状況に応じて変わるアプローチの打ち方ですが、失敗しないためには転がすアプローチがおすすめです。ランニングアプローチと言われる打ち方ですが、一番簡単な打ち方です。
グリーン周りなら、パターを多用すると安全で確実にグリーンに乗せることができます。最初は距離感が難しいかもしれませんが、練習グリーンの周りでパターを転がしておけば、少しずつ距離感をつかめるはずです。
アプローチを失敗しないためのクラブ選び
転がしアプローチの中でも、パターのアプローチがやさしいのは、ロフト角が小さいからです。ロフト角が小さいとフェース面に当てるのが簡単なのです。
一方、ロフト角が大きくなると、フェース面がクラブの歯よりも後ろに傾くため、フェース面にうまく当てるのが難しくなります。そのため、ボールを捉える難易度が上がります。
ですからアプローチで使うクラブは、基本は確実にフェース面で球をとらえることが出来る、ロフト角が小さいクラブを推奨します。
目の前にバンカーがあるなど、ボールを上げないと困る状況の時だけ、ボールが上がりやすいロフト角の大きいクラブを使うようにしてください。
ランニングアプローチとピッチエンドランの打ち方は一緒
最初に紹介した通り、アプローチでまずマスターすべきなのは、ボールを転がす「ランニングアプローチ」です。
次に、バンカー超えなどやむをえない場合に必要になりそうなのが、ボールをキャリーさせる「ピッチエンドラン」という打ち方です。実はこの2つの打ち方はまったく同じで、使うクラブとボールの位置が違うだけです。
ランニングアプローチは9番アイアン、ピッチエンドランはAWという具合です。ボールの位置については次の章で詳しく説明していきます。
ボールを上げる「ピッチショット」という打ち方もありますが、やや難易度が高いため、出来る限り使わないほうがいいでしょう。
シンプルに確実に寄せるアプローチのコツ
アプローチで大切なのは、左足体重とハンドファーストです。基本的な構えを覚えると、あとはボールの位置とハンドファーストの度合いを変えるだけで、球筋が打ち分けられます。
アプローチを成功させる2つのポイント
アプローチはボールを遠くに飛ばす必要がありません。ピンまでの距離を失敗せず、確実に運ぶことが大切です。そこで、アプローチを成功させるための、大切な2つのポイントをおさえておいてください。
左足体重
ハンドファースト
アプローチは、ボールに対してヘッドを上からインパクトさせる、ダウンブローに打ちたいショットです。左足体重にすると、ヘッドを上から入れやすくなり、ハンドファーストにインパクトしやすくなります。
またヘッドを上から入れることでスピンもかかりますから、グリーン上でボールが止まりやすくなるメリットもあります。「左足体重」と「ハンドファースト」の2つは是非アプローチの際に意識してください。
振り方は同じ!ボールの位置とハンドファーストの度合いを変えるだけで、いろいろなアプローチができる!
左足体重にして、ハンドファーストにすると、クラブヘッドはボールにきっちり当たるダウンブロー軌道に打てます。
ボールの高さをコントロールするのは、打ち方ではなく、ボールの位置やスタンス幅を変える事。ボールの位置が変わるとハンドファーストの度合いも自然に変わります。
ランニングアプローチ
ピッチエンドラン
ピッチショット
この3つのアプローチショットのボールの位置とスタンス幅、ハンドファーストの位置をしっかりと画像でチェックして、練習して欲しいと思います。
ではそれぞれのアプローチを説明していきます。
ランニングアプローチ
まずはランニングアプローチですが、ボールは右足の前に置きます。スタンス幅は狭め。必然的にハンドファーストの度合いが強くなり、ロフトが立ちボールが転がせる構えになります。あとは距離に応じて、振り幅を変えていきましょう。
ピッチエンドラン
ピッチエンドランですが、スタンスは肩幅ぐらいか肩幅よりやや狭いぐらいです。ボールはスタンスの真ん中に置いてください。ランニングアプローチよりもハンドファーストの度合いは抑えられ、通常のアイアンショットと同じぐらいのボール位置とハンドファーストの度合いです。
ピッチショット
そしてピッチショットのボール位置は、左足の踵線上です。グリップ位置とヘッドの位置はほぼ同じ、気持ちハンドファーストに構えて下さい。ボールが上がるということは、飛ばないので、大きくスイングする必要がありますから、スタンスは広めになります。
ボールを高く上げるピッチショットも、ダウンブローの軌道で打ちます。高くあげたいからといって、下からすくい上げるように打つわけではありません。ダウンブローにヘッドを入れて、ロフト角の大きさでボールを高く上げます。
構え方の違いは理解できましたか?
では全てのショットを動画で見てみましょう
全てのショットが、左足体重でハンドファーストになっています。練習場でボールの位置と、ハンドファーストの度合いを変えて練習してみて下さい。ボールの高さと、イメージが合ってくれば、距離感も自然と身についてきますよ。
羽生プロがコッソリ教える、アプローチ名人になる極意
スコアで100を切るまでは、ランニングアプローチだけで充分です。9番アイアンぐらいで、ダウンブローに打つ。これができれば、アプローチ名人への道も開けてきます。スコアアップの鍵は、アプローチとパッティングの上達が80%を占めているといっても過言ではありません。
しかし、練習場でアプローチの練習をするのは、ドライバーに比べて何かもったいない気がするのも事実です。それでもアプローチが上手くなると、他のショットも上達しますから、しっかりと練習してくださいね。
教えてくれた人: 羽生淳一プロ
1984年生まれ、茨城県出身。サンクチュアリゴルフスクール代表、JGTOツアープロ。
取材協力・ライター:T島
1963年生まれ、広島県出身。中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。毎日更新のブログ「アナライズT島の商売してまっせ~ vol.3」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。ベストスコア68。
羽生淳一の「ジュン羽生が答える!」記事一覧
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