ジュン羽生が答える!第3回・正しいドライバースイングを身に付ければゴルフは驚くほど上達する!
「ドライバーがもっと飛べば二打目が楽になるのに」、「同じ時期にゴルフを始めたあいつに飛距離で負けたくない」…とゴルフ初心者だけではなく、多くのゴルファーが思うものです。
しかし、100切りゴルファーがドライバーの飛距離を欲張らなければ、スコアアップする可能性が高まるのも事実。「飛ばしたい、でも曲げたくない」。この矛盾を正しいスイングでクリアして、ドライバーをガッツリ飛ばすのが今回の狙いです。
「飛ばしの極意ってイロイロ目にしますね。でも初心者や100切りを目指すゴルファーが絶対やってはいけない極意もたくさんあります」と羽生淳一プロは言います。
今回は、ゴルフ初心者、100切りゴルファーが気持ちよくドライバーショットが打てるスイング方法を、過去の成績からミスター29の異名を持ち、数々のゴルフスクールを経営する羽生プロに聞いてみました。
ドライバーの飛距離アップには、正しいスイングでクラブの運動量を増やすことが重要
まずは、スイングの基本を守り、ドライバーの飛距離をアップさせる方法を教えてもらいましょう。ゴルフ上達のためには、欠かせない情報ですよ!
「飛距離を上げるために、自分が一生懸命動きすぎるから、スイングの基本から外れるのです。自分よりもクラブを動かせば飛距離アップします。飛距離アップ=クラブの運動量のアップです」と羽生プロ。
「ゴルフ雑誌の『飛ばしの極意』を読むと、ついやってみたくなり練習場へ行き、身体ばかり振り回し、どんどんスイングの基本から外れていきます。初心者はスイングの基本をまず覚えて、スライス幅を減らすことが飛距離アップの早道だと僕は思っています。僕の生徒さんだけの秘密だったのですが、クラブの運動量もアップさせて、スイングの基本も磨かれるそんなドリルがあるのです。今回は特別に、2つのドリルを教えちゃいましょう」
飛距離をアップさせる羽生プロ直伝ぐるぐるドリル
ドライバーの飛距離をアップさせるには、クラブの運動量を増やすことが第一。羽生プロが提案する、とっておきの「ぐるぐるドリル」で、クラブの運動量を増やすコツをマスターしましょう。
【ぐるぐるドリルのやり方】
まずは肩幅ぐらいにスタンスをとり、クラブを持ちます。
番手は何番でも良いですが、ヘッドが重すぎず、長さが適当な7番アイアンぐらいがいいでしょう。軽くグリップして360度ぐるぐるクラブを回して下さい。イメージがわかないという人は、動画を参考にしてみてください。
クラブを回しているうちに、グリップが手のひらから指で握りやすくなるはずです。一番クラブを回しやすい握り方が、その人にとって一番クラブの運動量が引き出せるグリップです。まずはこの感覚を身に付けてください。
【ぐるぐるドリルのチェックポイント3点】
1.肩幅の広さにスタンスして、脱力(特に手首)
2.グリップは、フィンガーで握る(特に左手の中指~小指と右手の薬指・小指)
3.身体や肘はできるだけ動かさず、クラブだけがぐるぐる廻るように
なかなかクラブが上手に回ってくれないという場合は、クラブを逆さまにして(ヘッド側を持って)やってみてください。
ドライバーの飛距離アップには、正しいスイングで方向性も求めたい
クラブの運動量を増やすコツがわかったら、もう1つ覚えておきたいのが方向性です。
ドライバーの飛距離をアップさせるには、正確な方向性も求められます。正しいスイングでまっすぐ飛ばすことができれば、OBも減りますし、スコアメイクも簡単になりますね。
そこで次に学びたいのが、ドライバーの正確性を高めるための「膝立ち打ちドリル」です。
ドライバーの飛距離と正確性をアップさせる膝立ち打ちドリル
正しい両手の使い方(アームローテーション)が覚えられると、飛距離もアップし、スイング軌道も良くなります。そのためのドリル「膝立ち打ち」の正しいやり方を覚えましょう。
ぐるぐるドリルは、身体の動きを極力少なくして、クラブの動きを最大にします。スイングの効率をアップさせることで、クラブの運動量を増やすドリルです。今度のドリル、膝立ち打ちは、クラブの運動量を増やすだけでなく、スイングプレーンにクラブを動かすための両手の動きが覚えられるドリルです。
「このドリルは、かなり難しいですが、これができれば劇的に上達します」と羽生プロはいいます。
【膝立ち打ちドリルのやり方】
まずクラブはドライバーです。もちろんティアップしてください。そして膝立ちをして、ハーフスイングぐらいでいいですから、ボールを打ってみましょう。
このドリルで大切なのは、両手の動きを覚えることです。ゴルフスイングはテイクバックで、右肘が曲がり、左手が真っすぐ伸びます。そして切り返しから、右手が左手を追い越しフォローで、左肘が曲がり、右手がまっすぐになります。
やってみてどうしても上手く出来ない…そんな時には、切り返しで右手と左手が同じ方向に動いていないかチェックしてください。同じ方向に動くと左手が右手を追い越しませんから上手く打てません。切り返しで、左手を身体方向に引き付けると、左手が減速して、右手が勝手に追い越してくれます。
【膝立ち打ちドリルのチェックポイント3点】
1.飛ばそうとフルスイングしないこと、ハーフスイングでOK
2.切り返しから、左手は身体に引きつけるように動かす(素振りでチェックしてみよう)
3.練習場でやる時は、膝が汚れてもよいズボンでやること
このドリルでボールが真っ直ぐ飛ばせれば、普通にスイングしてもスライスしなくなります。もちろん飛距離もアップします。このドリルは正しいアームローテーションが覚えられるドリルです。ちょっと練習場でやるのは恥ずかしいですが、まずは打てるかどうかやってみて欲しいと思います。
ゴルフではドライバーの飛距離が気になるけれど、やはりスイングの基本が大切!
ドライバーを飛ばしたいけれど、ゴルフではスコアも大事…。しかし飛距離を求めると曲がってしまって、結果的にスコアが悪くなる。そんなゴルファーは、もしかしたら、飛距離を求めるあまり、正しいスイングができていないのかもしれません。
「飛ばしの極意。いろいろゴルフ雑誌などに書いてありますが、僕はスイングの基本に忠実であればいい。それが一番有効だと思っています」
基本通りにやっておけば、自然と飛距離アップして曲がらない。それはよくわかりますが、「あともう少し飛ばしたい」という時にどうすればいいでしょう? ドライバーの飛距離アップなどの記事が、ゴルフ雑誌やWEBサイトに書いてありますが、本当にアップするのでしょうか?
「確かにいろいろポイントはあります。しかしまず初心者はスイングの基本を覚えてください。100切りというテーマでは、ドライバーをまず安定させること。チョロやダフリ、OBをとにかく減らすことが大切です。200ヤードも飛ばさなくていい、150ヤードで充分ということに気がつくと、気持ちにも余裕が生まれ、飛距離がアップする。これがゴルフです」
今回紹介した2つのドリルをしっかりやれば、スイングの基本も良くなり、ドライバーだけでなく他のクラブの飛距離もアップすること間違いなし。
最後に、羽生プロのお手本ドライバースイングをご紹介しておきますので、参考にしてみてください。
羽生プロが導く、初心者飛距離アップの極意
正直に言ってもいいですか? 100を切るのが目的なら、ドライバーは抜いて行ってください。必要ありません。安定して150ヤード飛ぶクラブでティショットすればいいのです。しかしスコアだけがゴルフの楽しみじゃありませんよね。ドライバーが気持ちよく飛んだときの爽快感も、ゴルフの醍醐味のひとつです。スイングの基本をしっかりと磨けば、曲がり幅が減りそれだけで飛距離アップします。
今回の2つのドリルは、スイングの基本から外れない、飛ばしの極意が覚えられますので、ぜひ試してください。
教えてくれた人: 羽生淳一プロ
1984年生まれ、茨城県出身。サンクチュアリゴルフスクール代表、JGTOツアープロ。
取材協力・ライター:T島
1963年生まれ、広島県出身。中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。毎日更新のブログ「アナライズT島の商売してまっせ~ vol.3」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。ベストスコア68。
羽生淳一の「ジュン羽生が答える!」記事一覧
(1) スライスしない方法編 - (2) 正しいアドレス編 - (3) 正しいドライバースイング編 - (4) アイアンの正しいスイング編 - (5) クラブの役割と飛距離の把握編 - (6) ドライバーの飛距離アップ編 - (7) ミスしないアプローチ編 - (8) 楽しいアプローチ練習編 - (9) シャンクの原因と直し方編 - (10) トップする原因と対策ドリル編 - (11) バンカーショット一発脱出編 - (12) フォロースルーは大きく!編 - (13) 素振りの重要性と練習編 - (14) ダウンスイングの練習編 - (15) ドライバーとアイアンの違い編 - (16) テイクバックのコツをつかむ編 - (17) パッティングのコツ編 - (18) 平均飛距離と打ち方のコツ編