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鹿又芳典の「スコアアップにつながるシャフト選び」第8回~キックポイントなんて全く気にしなくていいと断言します

鹿又芳典の「スコアアップにつながるシャフト選び」第8回~キックポイントなんて全く気にしなくていいと断言します

キックポイントはまったく気にする必要がない

シャフトを選ぶ際、キックポイントを気にする人がけっこういます。

手元がしなる元調子、先端がしなる先調子、センターがしなる中調子という3つの区分けが一般的ですが、先中調子だとか、中元調子だとか、ダブルキックだとか、いろんな表現が存在します。これは1本のシャフトの中で、どの部分が硬くてどの部分が軟らかいかを示したものです。

なんで1本のシャフトの中で硬さの変化をつけるかというと、「球を上げたい」とか「スピンを抑えたい」とか、メーカーが実現したいコンセプトを達成するためです。

そのためにメーカーは、手元剛性、センター剛性、チップ剛性(シャフトの先端側部分)を細かく分けて、どこをしならせよう、どこを潰れなくしよう、どこをねじれなくしようと設計して、適材適所に材料を配置してシャフトを作っています。

ただ、これほど細かく作っても、シャフトのように長い棒の両端をギュッと押したら、真ん中の近くがしなるのは当たり前なんですね。

だから、キックポイントというのは繊細な商品を乱暴に表記しただけのものに過ぎないので、まったく気にする必要はありません。

一般的な特徴と同じ結果が得られるとは限らない

一般論として言えば、元調子というのは先端が硬くなっているので、相対的に手元が軟らかく感じるものが多いです。特徴としては、シャフトが遅れてきますから、左に行かなくなったり、球が低くなったりしやすいので、上級者向きと言われます。

先調子は先端を軟らかくしているので、相対的に手元が硬く感じるものが多いです。特徴としては、シャフトの先端部分が大きく動きますから、ヘッドが上を向きやすく、球が上がりやすいので、初心者向きと言われます。

でも、それって毎回同じ場所でインパクトした時の話で、インパクトのポイントがずれたら、求める結果が得られないわけです。

また、切り返しの時のゴルファーの反応によって求める結果が得られない場合もあります。

たとえば、先調子だとタイミングが取れなくて、インパクトで手が前に出てしまって球がまったく上がらなくなる人もいます。逆に元調子だと手元がギュッとしなるのが気持ち悪くて、手のスピードを止めてヘッドだけを走らせてしまい、球が上がってしまう人もいます。

だから、キックポイントの表記だけで、自分にとって合うかどうかを決めることはできないのです。

メーカーのコンセプトを見て探すほうが何十倍も大事

そもそも、どこのメーカーもキックポイントなんて、そんなに大事にしていません。シャフト1本の中での硬さの変化を乱暴に表記した昔の名残りです。

だから、あるメーカーは3種類のシリーズをすべて中調子に寄せて作りますというような言い方をしています。また、別のメーカーは完成したシャフトに対して「前作よりも先(調子)だよな」といった具合にキックポイントの表記を決めます。その程度のものなのです。

そんなことを気にするよりも、メーカーのコンセプトを見て、自分の目的に合ったシャフトを探すことのほうが何十倍も大事です。

教えてくれた人 鹿又芳典(かのまた・よしのり)さん

1968年3月21日生まれ、東京都出身。クラブコーディネーターとしてゴルフ雑誌など各メディアで活躍。年間試打本数は2000本以上にも及ぶ。ゴルフショップマジック(千葉県)代表。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/石上彰

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