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稲津暢の「ゴルフの上達が早い人遅い人」第6回

稲津暢の「ゴルフの上達が早い人遅い人」第6回

「ゴルフを始めた年齢が早いとゴルフの上達が早い」と、前回お伝えしました。すると、「プロゴルファーはみんな、ゴルフを始めた年齢が早いのに、プロになってから伸びる選手と伸びない選手がいるのはなぜ?」という質問を受けました。

その理由について僕なりの見解を語ってみましょう。ゴルフの上達が早いか遅いかという視点とは少しずれるかもしれませんが、上達のヒントになると思います。

ゴルフだけをやっていると伸びない

僕が以前、米国で著名なコーチであるハンク・ヘイニーのアカデミーにいた時、16歳で韓国から海を渡ってきて、全米パブリック選手権で優勝した子と一緒に練習していた時期がありました。

その子は朝から晩までずっとゴルフしかしていなくて、周りの大人は「勉強もさせたほうがいいんじゃないか」と言っていたのですが、ご両親の方針でゴルフ漬けの生活を送っていました。その子は結局、PGAツアーを出たり入ったりして、伸び悩んでいます。

一方、PGAツアーで優勝を手にする選手は賢い人間が多いなと感じます。米国の教育制度は、高校までは自由に遊ばせますが、大学に入るとキュッと締めつけます。ゴルフがいくら上手でも、単位をちゃんと取らないと試合には絶対に出してもらえないし、単位を取るのもすごく厳しい試験があります。

そのような環境で育っている選手は、航空力学や流体力学などゴルフボールが遠くまで飛ぶ仕組みも高い水準で理解しています。どちらがプロになってから伸びているかは言うまでもありません。

ゴルフと仕事を両立すれば、どちらも伸びる

これを社会人ゴルファーに当てはめると、ゴルフが面白いからと言ってゴルフばかりやっていても、本質的な部分でゴルフの上達につながらないということになります。

一方で、仕事が忙しいからゴルフは後回しというのも、もったいないと感じます。学生がゴルフと学業を両立しているように、社会人もゴルフと仕事を両立することで、いろんな能力を伸ばすことにつながると思います。

ゴルフの上達において、レーダーチャートのような視点を持つことが大事と、以前お伝えしました。仕事とゴルフを同時に考えながら、バランスを取っていくことが、自然とレーダーチャートの視点を持つことにつながる気がします。

教えてくれた人:稲津暢(いなつ・とおる)さん

1979年生まれ。國學院大學経済学部卒、テキサス州立大学大学院にて経営学修士(MBA)。MBA取得後にプロ宣言し、PGAツアーのマンデー予選を中心にアメリカのミニツアーに参戦。その後、国内大手コンサルティング会社に入社し、基幹業務システム導入やマーケティング戦略立案に従事。2008年IF Business Consulting株式会社を設立。企業経営者に特化したゴルフレッスンとコンサルティングサービスを提供している。

構成/保井友秀(ゴルフライター)

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