稲津暢の「ゴルフの上達が早い人遅い人」第5回~始めた年齢が遅くても上達できる
ゴルフの上達が早い人の共通点の一つとして「ゴルフを始めた年齢が早い」というものがあります。幼少期からゴルフを始めないと、プロゴルファーになるのは難しいのが現状ですし、ゴルフを始めて10年も経たない中学生や高校生がプロの試合に出て戦うことができるのは、ゴルフを始めた年齢が早いことによるアドバンテージが大きいと思います。
「それを言ったら身もフタもないよね」と思うかもしれませんが、事実は事実として認識しておく必要があります。
ゴルフを始めた年齢が早いほど上達が早い
したがって、社会人になってからゴルフを始める場合でも、20代でゴルフを始めた人と30代でゴルフを始めた人を比べると、20代で始めた人のほうが圧倒的に上達は早くなります。
社会人になったばかりだと、仕事も覚えなければなりませんし、仕事が忙しくてゴルフまで手が回らないという人がいるかもしれません。まずは仕事をしっかりと覚えてから、時間の余裕ができたらゴルフを始めようと考えている人も多いでしょう。
その考えを否定するつもりはありませんが、将来的にゴルフを始めるつもりであるならば、仕事がどんなに忙しくても、同時並行でゴルフを始めることをオススメします。そのほうがゴルフの上達が早いですし、ゴルフの上達が早くなることによって、仕事にもプラスになると思います。
また、欧米では小さい頃から教育やしつけの一環として学ばせる事が多いですが、ゴルフとビジネスの類似度が高く将来優秀なビジネスマンになるようにという意味合いも多いと聞きます。
ゴルフを始めた年齢が遅くても上達を早くすることはできる
一方で、ゴルフを始めた年齢が遅いと、上達が遅くなるかと言えば、必ずしもそうではありません。僕が教えている生徒さんでも、42歳からゴルフを始めて3年でシングルハンディになった人もいます。
ゴルフを始めた年齢が遅くても上達が早い人には、自分自身のキャリアをきちんと考えているという特徴があります。5年後、10年後、退職後、どのようになっているのか、どんな事を積み重ねていけば会社や社会で必要とされるかをよく考えています。このタイプは、どこから始めれば自分の目標にたどり着けるかよく理解しているため、物事に取り組むときの優先順位のつけ方が非常に上手いです。そして、まずはひとつの事を徹底して取り組みそれをクリアしたら次に行くという習性があります。
なので、レッスンのときに優先順位づけされた指摘事項を順々に徹底的に取り組みます。
また、人生の中で失敗を経験している方は上達が早い傾向があります。大学受験を失敗して一浪したとか、氷河期で就職浪人したとか、社会人になってから新規事業を大失敗したとか。大人になって新しく取り組むものはTrial and Errorの繰り返しであり、失敗を恐れず踏み込む勇気が必要です。失敗から学んだ経験やプロセスが習得の事象に優先順位をもたらせ、それが上達に結びつくのです。
教えてくれた人:稲津暢(いなつ・とおる)さん
1979年生まれ。國學院大學経済学部卒、テキサス州立大学大学院にて経営学修士(MBA)。MBA取得後にプロ宣言し、PGAツアーのマンデー予選を中心にアメリカのミニツアーに参戦。その後、国内大手コンサルティング会社に入社し、基幹業務システム導入やマーケティング戦略立案に従事。2008年、IF Business Consulting株式会社を設立。企業経営者に特化したゴルフレッスンとコンサルティングサービスを提供している。
構成/保井友秀(ゴルフライター)
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