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平野茂の100切りラウンド術・第6回~ミスパットを劇的に減らすラインの読み方

平野茂の100切りラウンド術・第6回~ミスパットを劇的に減らすラインの読み方

100を切るためには、ティショットでOBを極力打たない、アイアンショットやグリーンまわりからのアプローチでダフリ、トップなどのミスの回数を減らす、バンカーからとにかく1回で出す――などさまざまな要素が挙げられるが、スコアをできるだけロスさせない一番の決め手はパット数を減らすことに尽きる。

スコアの4割はパットの打数といわれるほどで、100切りには18ホールで40パット以内に抑えることが条件だ。

多くのゴルファーを100切りに導いてきた平野茂プロは「パットのミスを減らすにはグリーン上でラインを読む力をつけることが大前提です。これはラウンドの経験を積んで覚えるしかありませんが、グリーンの傾斜の読み方、ラインの読み方を最初に覚えておけばパットがぐんぐん上達しますよ」と教えてくれた。

ラインの上手な読み方をレクチャーしてもらおう。

横からラインを見て、上りか下りかを判断する

ゴルフは「観察のゲーム」といわれるほどで、ツアープロや上級者はゴルフ場のあらゆる場所に耐えず注意の目を向けながら、ボールを取り巻く状況を観察している。

観察力は、すなわち状況判断力につながる。何も観察しないまま漫然とプレーしていると、状況判断力が身につかず、予期もしなかったミスショットを誘発させてしまうことになる。

グリーン上の傾斜にしても、グリーンに上がってからでは気がつかないことが多いもの。アイアンショットを打ち、グリーンに向かって歩く途中でグリーンを遠めに見て全体の傾斜の特徴を見ておこう。

日本のコースは受けグリーンが多いので、基本的にはグリーンの奥が高くなっているが、そうでない場合もある。遠くからグリーンを眺めれば、どこが一番高くなっているかを把握しやすい。

グリーンに上がるときも、できるだけ低い位置、つまり花道側から上がるようにしよう。そして、ボールからカップまでのラインを読むときもできるだけ低いサイドから見るようにすることだ。

「必ずラインは真横から見るようにします。ボールとカップを結ぶ一辺を底辺とした三角形の頂点の位置からラインを見ることが大切です。どうしてラインを真横から見るのかというと、カップに向かって上りなのか下りなのかを的確に判断するためです。この場合も、高い側からではなく低い側から見たほうが、グリーン面が受けているため見やすく、傾斜も正しく判断しやすくなります」

たとえカップをオーバーしてしまったとしても、それが自分のタッチが強かったのか、それとも傾斜が下りだったからなのかわからないと、そのあとのホールでも距離感は合ってこない。上りのラインか下りのラインかの判断くらいはできるようになろう。

次に、ボール側からカップを見てスライスラインなのかフックラインなのかを判断し、曲がるラインであればどの程度曲がるかイメージを働かせよう。

時間があればカップ側からボールのほうを見てラインを確認するが、ボール側から見たときとラインが違って見える場合もある。そんなときも、低い側から見たほうが、グリーン面全体が受けていて見やすいため、正確に判断しやすい。低いサイドから見たラインを優先するといい。

スタート前の練習グリーンでタッチ合わせの練習を必ずしておこう

パットでは距離感も重要だ。

ゴルフ場によってグリーンの速さは違うので、スタート前に練習グリーンで把握しておきたい。そのためには、練習グリーンではどんな練習をするといいのだろうか。

「スタート前の練習グリーンで10メートルくらいの長い距離のスライスラインやフックラインの練習を多めにしておきましょう。カップに入れることは考えなくていいから、カップの近くで止めるのです。止めたい距離で止める感覚がタッチであり、ラインのイメージも明確になります」

スライスラインと読んでもタッチが強すぎてはカップの左を通り抜けてしまい、セカンドパットで長い距離が残ってしまう。こうした失敗が3パットや4パットを招き、グリーン上で大たたきしてしまうことになる。プレーする日の気象状況や芝の刈り具合でボールの転がるスピードは変化する。だからこそスタート前のタッチ合わせの練習は必須なのだ。

また、ラウンド中には、自分の順番がくる前に、他人のプレーの邪魔にならないように十分に気を配りながら傾斜とラインをよく見ておくことだ。他人のパットも注意深く見て、ボールがどのように曲がるのか、どのくらいのスピードで転がるかの情報をキャッチする習慣をつけよう。それが観察力を養うことにつながるという。

パットはラインが読めるようになることと、タッチを合わせられるようになることで、相当無駄なストロークを減らすことができる。100切り目前で足踏みが続いているゴルファーなら、パットが改善するだけで念願達成も可能だろう。経験がものをいう世界なので、ラウンドのたびにしっかりと行って、経験値を積み重ねていきたい。

教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ

1973年9月29日生まれ。早稲田大学時代は東京六大学野球で2年生からレギュラーとして活躍しプロ野球選手を志す。野球を極めた独自の視点で編み出したスイング理論で、短期間でゴルフも上達し、2007年プロ入会を果たす。現在、東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、「飛ぶようになった」「体の使い方が初めてわかった」と多くのアマチュアを短期間で上達させることに成功している。
構成/三代崇(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥 撮影協力/富里ゴルフ倶楽部(千葉県)

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