中井学の「不安に打ち勝つゴルフの法則」第8回~「Play fast」でもショットは焦らない!寛容な気持ちで楽しいゴルフを
中井プロに質問!
Q. 後ろの組が迫ってくると、スロープレーが不安になり、いつも焦ってしまいます。
プレーの速さは行動で示せる
白州次郎さんが唱えた「Play fast.」という有名な言葉があります。クラブハウスに貼られているポスターなどで見かけたことがある人もいるでしょう。直訳すると「速やかにプレーしなさい」ということですが、これはショットに時間をかけるなという意味ではありません。少なくともスロープレーにならないように意識しているゴルファーなら、後ろの組が近づいたからといってプレッシャーに感じる必要はなく、クレームも来ることはないでしょう。それでもプレーが遅くなってしまうようなら、その原因を考えてみましょう。
プレーが遅くなる原因はいくつかあります。
一番の要因として考えられるのが「次に使うクラブの想定ができていないこと」です。グリーンまで何ヤードだから何番アイアンで打とう、と決めるのは、ショットする前に決めることです。ですから、カートを降りたら、まず残りが大体何ヤードなのかを想定します。もし距離が決まらないようなら、前後のクラブを少し多めに持って行く必要があります。
プレーが遅い人は、ボールのところまで行き、そこで距離を確認し、カートへクラブを取りに戻る、ということをしがちです。これではカートとボールの間を2往復することになります。プレー時間に余裕があっても、速やかに1往復で済ませる。そこは最低限守ってください。
というのも、もしプレーが遅くなっても、そういう移動の仕方をしていれば、後ろの組が過度にプレッシャーをかけてくることもないからです。要はプレーが遅くなるような態度に問題があるんです。前の組との間隔が開いてしまったら、時にはボールまで小走りに移動することも必要でしょう。ボールのある場所に行くまでは急いだほうがいいですが、ショットそのものは、慌てる必要はありません。
それと、同伴者がすでにカートに乗っていて、最後の一人が乗り込む際、クラブをキャディバッグに戻すのではなく、使ったクラブを持ったまま、直接カートに乗ってください。その際、運転手に「どうぞ」と、ひと言かけることも大切です。クラブをキャディバッグに戻す動作と次に使うクラブを抜くのは、同じタイミングにした方がカートの移動がスムーズになります。
コース側にも問題がある
プレーの進行が遅くなるのは、実はゴルフコース側にも問題があります。パー5でツーオンを狙えるホールがあると、どうしても待ち時間が長くなりますし、ホール間のジョイントが長かったりすると、移動に時間がかかってしまいます。
コースによって本来プレー時間は異なるはずなのに、すべてハーフ2時間15分以内でプレーしてください、といっているのもちょっとおかしい気がします。
ラウンドに慣れていない人ほど、プレーが遅くなるのは仕方ありません。なので、もし、あなたの前の組が遅いなと感じても、そこに技量が伴わずに遅れている人がいたら、寛容な気持ちで見てほしいと思います。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
JGTOツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、16年、17年はJGTO(国内男子ツアー)東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)でレッスンを行っている。
<スタッフクレジット>
撮影/石上彰(gami写真事務所)
撮影協力/東宝調布スポーツパーク(東京都)
中井学の「不安に打ち勝つゴルフの法則」記事一覧
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