中井学の「不安に打ち勝つゴルフの法則」第1回~前日の練習はすべき?楽しみで眠れない時に役立つ考え方
はじめに
皆さんこんにちは、プロゴルファーの中井学です。
ゴルフは楽しいスポーツですが、一方で過酷な面も持ち合わせています。ラウンドした日の調子が良ければ気分は高揚しますが、逆に調子が悪いと普段以上に落ち込みます。中にはホールアウトした後に「もうゴルフ辞める」と口走る人もいるかもしれません。
なぜ練習しているのに、コースに行くと練習通りにできなくなるのでしょうか。
ここではスコア100切りを目指すアベレージゴルファーのみなさんが陥りがちな悩みを挙げながら、それについて僕なりに解説してみたいと思います。
中井プロに質問!
Q. ラウンドの前日はほとんど眠れません。何かいい方法はありませんか?
前日は練習しない方がいい
眠れなくなるのは仕方ないでしょう。久しぶりのゴルフなら楽しくて、それこそ遠足前の小学生のように普段以上に興奮しますし、コンペだったらプレーやスコアに不安になって落ち着きません。僕もそうでしたが、誰でもゴルフを始めた頃は眠れなくなることがあります。
よく、前日の夜まで練習場でボールを打ち込んでいる人がいますが、それはあまりおすすめしません。練習すると交感神経が活発になってしまい、さらに眠れなくなってしまいます。
それだけでなく、前日に一生懸命練習をしても、結果的にうまく行くことはありません。プロゴルファーでもそうなのです。
練習すればするほど、スイングの不満や不安が見えてしまい、時間がないだけに「どうしよう?」と軽くパニックを起こします。スイングには完成形がないので、直前に練習をしたとしても、ほとんど納得できないと思います。
反対に練習場でうまく行き過ぎると、過度な期待をしてしまいます。そのイメージでラウンドすると、ミスをして落胆するのが目に見えています。どちらにしても、慌てて前日に練習してもうまくいかないものなのです。
開き直って、あまり深く考えないことが大切
前日の深夜にゴルフ場までの道のりや、コースマップなどの下調べをしないほうがいいでしょう。スマートフォンやパソコン画面を見続けると、目が冴えてさらに眠れなくなります。
ラウンドを楽しむのであれば、ホールマップの下調べも特にいらないと思います。
遊びのラウンドなら、ワクワクして眠れなくなるのもあるでしょう。ですが、日常のリズムをできるだけ変えないことが大切です。また、久しぶりのラウンドやコンペとなると、プレーが不安で眠れなくなることがあります。しかし、寝る前にいろいろ考えてもスコアがよくなるわけではありません。
そう考えると、やや厳しい言い方かもしれませんが、前日に納得できるような準備はできないと思います。
ですので、心を落ち着かせてネガティブなことを考えずに、すべて良い方向に考えるイメージを持ちましょう。それでも眠れなかったら、それはそれで寝なくてもいいや、と思うくらいの気持ちが大切です。
そうそう、ひとつ忘れていました。起床時間だけは必ず確認しておいてくださいね。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
JGTOツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、16年、17年はJGTO(国内男子ツアー)東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)でレッスンを行っている。
<スタッフクレジット>
撮影/石上彰(gami写真事務所)
撮影協力/東宝調布スポーツパーク(東京都)
中井学の「不安に打ち勝つゴルフの法則」記事一覧
(1) 楽しみで眠れない夜は編 - (2) プレー前は体温を上げろ編 - (3) ティの緊張は気にするな編 - (4) 練習場に傾斜はないから編 - (5) ハーフショットに救われる編 - (6) 長いパットは入らなくて当然編 - (7) ポジティブさでスコア向上編 - (8) 急いでもショットは焦るな編