中井学の「不安に打ち勝つゴルフの法則」第7回~「自分ルール」で結果は変わる!ポジティブをスコアに結び付ける思考法
中井プロに質問!
Q. 谷や池を見ると、過剰に反応してしまい、動きがおかしくなってしまいます。何かいい方法はありませんか。
脳に余計なインフォメーションを与えない
視界に谷や池があると「ああ、あそこに入ってしまいそうだな」と思い込んでしまい、結果そのとおりになりませんか。あるいは「今日は調子がいいな、いつもと違うぞ」と考えていると、終盤の残りホールで大たたきをして、結局いつものスコアと同じになってしまったことはありませんか。そんな経験は誰にでもあると思います。おそらく、ゴルフの上達するうえで、誰もが通る道なのです。
これらはすべて思い込み、つまり自分で自分を追い込んでしまっていることが原因です。まさにさきほどのケースにあてはめると――
・ 「あ、池に落ちた。やっぱり思ったとおりだった」と口にする
・ 「こんな調子のいい俺、おかしい」と思っている
これらは、けっして不自然な考えではありません。しかし、思い込みは実際の行動を呼び込んでしまうものなのです。
そこで、どんなときもポジティブに考えましょう、とまでは言いません。しかし、目の前にハザードがある場所では「谷や池がある? そんなの知らない」ぐらいに考え、先のフェアウエイに打つことだけに集中すればいいんです。
また「今日の俺は調子がいいな」と思う日は、落とし穴が待っているとかビクビクせず、普段の練習の成果がしっかり出ている日と考えればいいんです。
とにかく、打つ前にネガティブな方向に考えない、脳に余計なインフォメーションを与えないようにしてください。
そのように「谷や池に入る気がしない、あるいは谷や池の存在すら気にしない」とイメージするだけで、ショットの成功率は飛躍的に高まります。それでももし、結果的にダメだったら、それはそれでいいじゃないですか。結果のことはあと回し。まずショット前にメンタルをしっかり整えておくことが大切です。
その行動があなたの集中力を下げる
先ほど、結果的にダメでもいいと述べたのは、ミスした結果に対して、自分が受け入れやすいように、常に心づもりをしておくということが大切だからです。
みなさんもご存知でしょうが、ゴルフはミスショットの連続です。プロゴルファーだってたくさんミスをします。ミスの回数は練習である程度減らせますが、絶対になくなるものでもありません。なので、いちいち「やっぱりミスした」と嘆いていたら、メンタルが弱ってしまいます。
ミスショットして「うわぁ」となる人は、すぐ集中力が下がってしまいます。そうなると当たり前ですが次のショットも上手く行きません。
ゴルフはティーショットを打ってからボールをカップに入れるまでに集中している状態を維持し、その間は常に次のショットのことだけを考えることが大切です。
また、ラウンドする前に自分の中でルールをひとつ決めておきましょう。
たとえば、
「今日は打つ前に(池や谷などの)余計なことを考えない」とか、
「ミスショットしても絶対に愚痴らない」とか、
「ラウンド中、トータルスコアを計算しない」など。
これらを決めておくだけでも、普段よりスコアが良くなるものです。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
JGTOツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、16年、17年はJGTO(国内男子ツアー)東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)でレッスンを行っている。
<スタッフクレジット>
撮影/石上彰(gami写真事務所)
撮影協力/東宝調布スポーツパーク(東京都)
中井学の「不安に打ち勝つゴルフの法則」記事一覧
(1) 楽しみで眠れない夜は編 - (2) プレー前は体温を上げろ編 - (3) ティの緊張は気にするな編 - (4) 練習場に傾斜はないから編 - (5) ハーフショットに救われる編 - (6) 長いパットは入らなくて当然編 - (7) ポジティブさでスコア向上編 - (8) 急いでもショットは焦るな編