中井学の「ドライバーショット成功の法則」第4回~「安定したアドレス」とは?セルフチェックで「コマの安定感」を目指せ!
スイングの基本②【アドレス】
スイングの基本、その②はアドレス(姿勢と向き)について解説します。
正しいアドレスの姿勢とは
一般的にゴルフ雑誌やレッスン書などでは、「安定したアドレスで構えましょう」と書かれています。しかし、アベレージゴルファーがそれをそのまま鵜呑みにしてしまうと「安定したアドレス=どっしりと構える」と勘違いしてしまい、スイングが始動できなくなってしまう人が多くいます。
「どっしりと構えるアドレス」とは、具体的に上体の前傾姿勢がほとんどなく、ヒザを曲げて重心を落としている姿勢のことをいいます。このような姿勢では、前傾がないためにテークバックしづらく、またクラブがトップの位置にくると、腰が浮いてしまいます。
アドレスとは本来、これから動く姿勢を作らなければいけないのですが、止まっていることを優先した構え方になっていませんでしょうか。ゴルフのスイングで目指すべきは「コマの安定感」です。回転している状態での安定性が最も大切です。腰が浮いてしまったり、スウェイしてしまったりすると上体がぶれ、スイングが余計難しくなってしまいます。
それを防ぐためにも、下記のセルフチェックをしてみてください。
<セルフチェック>
正しいアドレスとは、骨格を軸に重心が据え置かれていることをいいます。それに対し、どっしりと構えている間違ったアドレスは、ヒザや腰の筋肉を使って立っています。
そこで、アドレスした状態で1分間ずっと同じ姿勢ができるかどうかをチェックしてみてください。もし、立っているだけで辛く感じる、どこかが痛くなってきたとしたら、それは間違ったアドレスをしている可能性が高いでしょう。
上体の前傾姿勢のイメージは「3~4分程度遅刻してしまって、ちょっと謝るような感じ」でしょうか(笑)。上体を軽く曲げると同時に両ヒザをやや曲げて、腰を真下に落とすようにしましょう。
方向は目標物を参考に合せる
次にアドレスの向きについて。
ターゲットラインに対して、肩の向きさえ合っていれば概ね問題ないのですが、実際は目標に対して右(左)を向いてしまうことが多くあります。そうなるとイメージよりも右(左)にボールが飛んでしまうので、スイング自体が間違っていないか、ゴルファーは判断が難しくなります。
正しい方向にアドレスできないのは、目の機能が大きく影響しています。
ボールの後方から見たときは、目標に対する方向性と距離感を認識できるのに対し、ボールの横でアドレスした場合(つまり横からみた時)は、距離感に対する認識のみで、方向性はつかめないのです。ボールの横にアドレスした段階で目標を定めるのは、ほぼ不可能です。では、ターゲットラインに対してスクエアに立つには、どうすればいいでしょうか。
下記のセルフチェックを参考にしてみてください。
<セルフチェック>
ボールの後方に立ち、打ち出す目標を確認します。そして、そのターゲットライン上、ボールのすぐ延長線上にボーリングでいうスパットのような目標物を探しておくのがポイントです。よく、ボールの1メートル以上先にスパットを決める人がいますが、それはあまり意味がありません。というのも、スパットはボールのすぐ横に置くことで、目を動かさない範囲で見られることが大切だからです。イメージでいえば、10センチ以内、ボール2個分以内でしょうか。その10センチのラインと肩のラインを合せるだけで大丈夫です。簡単ですよね。
それで実際のラウンドで試してみてください。ターゲットラインに対する不安が想像以上になくなると思います。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
ツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、2016年東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)にてレッスン開講している。
取材/清水 晃(メディアサンライツ) 撮影/斎藤秀明
中井学の「ドライバーショット成功の法則」記事一覧
(1) 1番ホールのプレッシャー編 - (2) 練習場で気を付けたいこと編 - (3) グリップへの意識が重要編 - (4) 安定したアドレスとは編 - (5) まっすぐ飛ばない理由編 - (6) スライスは何のせい?編 - (7) チーピン防ぎは気付きから編 - (8) 適切な弾道の高さを知る編