中井学の「ドライバーショット成功の法則」第2回~高く飛ぶことがナイスショットではありません!練習場で気を付けたいこと
練習場で気をつけたいポイント
練習場ではボールが高く上がるのがナイスショットで、低く飛ぶのがミスショットだと思っていませんか。実はそのように思っているアベレージゴルファーがとても多い。
低く出るボールがナイスショット
しかし、これはまったくの正反対だと思ってください。つまり、低く出るボールがナイスショットで、高く上がるボールがミスショットです。その理由について答えましょう。
たとえば、ドライバーのヘッドスピードが40m/s前後の人であれば、アイアンは35m/s程度になると思いますが、そのヘッドスピードでどれぐらいボールが高く上がるでしょうか。ほとんどの人が、実際よりも自分がイメージした方が高く上がるものだと思い込んでいます。
最近のアイアンは飛距離を追求したモデルが多く、ロフトが立っておりボールはあまり高く上がりません。しかも、練習場の2ピースボールは市販のコースボールより反発性能が低いため、高く上がりません。
そうなると、ゴルファーは無意識のうちにボールを上げよう、ボールをつかまえようと思ってしまい、徐々にスイングが乱れてしまいます。我流がいけないというわけではありませんが、我流で練習している人に過度なアッパーブローが多く見受けられます。
弾道の高さよりも方向が大切
練習場で最初にやるべきは、ボールを高く上げないこと。そして、低くても狙った方向に確実に飛ばすことに重点を置くのがポイントです。これはアイアンはもちろん、ドライバーも同じです。
ドライバーの場合、ボールの置く位置はヘッドの最下点より左側にあり、ヘッドが少し浮いた状態でボールをヒットするので、何もしなくてもクラブが勝手にボールを上げてくれます。先ほども述べましたが、練習場のボールは高く上がらないので、それを無理に高くあげようと思ってはいけません。練習場では高さよりも方向が大切だと述べたのは、あくまでスコアメイクを意識した練習だからです。
実際のコースでは弾道の高さよりも、狙った方向に飛ぶ方がはるかに重要です。また極論をいえば、低いボールの方が、もし曲がってもできるだけ早く着地するので、OBが少なくなり、スコアメイクに役立つと言えます。
練習でスイングを壊してしまっては意味がありません。ロフトどおり、ヘッドスピードのどおりにボールが上がることを知り、必要以上にボールを上げないようにしましょう。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
ツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、2016年東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)にてレッスン開講している。
取材/清水 晃(メディアサンライツ) 撮影/斎藤秀明
中井学の「ドライバーショット成功の法則」記事一覧
(1) 1番ホールのプレッシャー編 - (2) 練習場で気を付けたいこと編 - (3) グリップへの意識が重要編 - (4) 安定したアドレスとは編 - (5) まっすぐ飛ばない理由編 - (6) スライスは何のせい?編 - (7) チーピン防ぎは気付きから編 - (8) 適切な弾道の高さを知る編