マーク金井の「超効率的ゴルフ100切り達成法」(第5回)番手単体で見るな!14本をトータルでセッティングせよ
ゴルフクラブの選び方「クラブセッティング」
「一番飛ぶドライバーは何ですか?」。
職業柄、お会いする人からよくこのように質問されることがあります。しかし、その人がどういったスイングなのか、どういうゴルフクラブが好みなのか、そこまで詳しく調べないと、すぐに答えることができません。
まずはセッティングを考える
その人が、スコアアップを目指したいのか、あるいは自分が気持ちいいと感じられるモデルがほしいのか、それによってもゴルフクラブ選びが変わります。しかし、それらに関係なくまず言えるのが、クラブを選ぶ際は、クラブ単体としてではなく、クラブトータルで考える必要があるということです。
ちなみに、ゴルフクラブは14本まで使うことができますが、パターを除く、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジの13本は、皆さんどのような基準で選んでいますか?
「13本を選ぶ基準?まず、ドライバーはやさしいアベレージ向けモデルで、アイアンは顔がいいアスリート向けモデルで、ウェッジは軟鉄鍛造で……」といった具合に、クラブ単体での選ぶ基準は明確であるのに、全体としての基準を語れないのであれば、それはクラブトータルでのセッティングを考えてないことになります。
クラブトータルでの基準があいまいだと「今日はアイアンがいいのにドライバーが不調だな」といったように、番手ごとに得手不得手が生まれます。ですから、クラブを選ぶ際は、まずセッティングが重要なのです。
段階的に合わせるスペックとは
当たり前ですが、クラブの長さが一番長いドライバーが最も飛び、次にフェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、そして一番短いサンドウェッジの飛距離が最も短くなります。自分のゴルフクラブを見て、あなたの飛距離はこの順番どおりになっていますか。
セッティングとは、スペックを段階的に合わせて、番手ごとの正しい飛距離を揃えることをいいます。段階的に合わせるスペックとは、
(1)クラブの長さ:ドライバー(長い)←→ サンドウェッジ(短い)
(2)クラブの重さ:ドライバー(軽い)←→ サンドウェッジ(重い)
(3)シャフトの硬さ:ドライバー(やわらかい)←→ サンドウェッジ(硬い)
(4)ロフトの角度:ドライバー(少ない)←→ サンドウェッジ(多い)
一番長いドライバーが軽く、シャフトがやわらかく、一番短いサンドウェッジが一番重く、シャフトを硬くするのが正しいセッティングです。このフローがきれいに整っていないと、番手によってスイングに力が入ったり、苦手意識を持ってしまったりします。何が飛ぶとか、どのクラブは球がつかまる、とかいった話の前に、現在使っている自分のクラブのスペックはどうなのかを知っておくべきでしょう。
クラブの長さは置けば簡単に比較できますし、重さならキッチンにある計りを使って量ることもできます。あなたのドライバーのクラブ総重量は何グラムですか?
道具にこだわるなら、ほかにも、バランスと振動数、トルクなど、さらに細かなスペックがありますが、これを読んでいる100切りを目指すゴルファーなら、まずは上記の4つだけを知っておけばいいと思います。
クラブを買い替える際は、クラブトータルでのセッティングに注目してみてください。
教えてくれた人 マーク金井(かない)さん
ゴルフクラブアナリスト。ゴルフ誌のほか、テレビやラジオでも活躍中。ハンデ3の腕前と豊富な知識を生かした分かりやすい解説には定評がある。悩めるゴルファーのためにゴルフスタジオ「アナライズ」(東京・神田)を自ら主宰している。近著に「一生役立つゴルフ超思考法」(マイナビ)がある。
取材・構成/清水晃(メディアサンライツ) 撮影/小板直樹