マーク金井の「超効率的ゴルフ100切り達成法」(第3回)気持ち悪くても正しいグリップを!上達の基本は握りにある
前回、練習は自らのハードルを下げたほうがいいと書きましたが、これは恐怖心を取り除いた状態で練習するのがいいということであって、決して気持ちいい練習をしようということではありません。
上達のための練習とは?
よくワンポイントレッスンで「気持ちよく打ってみましょう」と指導するコーチがいますが、それはレッスンを受けているゴルファーの上達のことまでは考慮していません。
上達のための練習となると、レッスン自体が気持ちよくなくなってしまうからです。
というのも、上達のことを考えて、数週間、あるいは数か月のカリキュラムをもとに指導するレッスンでは、まずグリップの握り方を教えます。実はこのグリップこそが、初心者にとって最も難しく、またそれなりに時間がかかるものだからです。
間違ってグリップを握り続けているゴルファーが、最初のレッスンで正しい握り方を教わると、違和感ばかりでスイングすらできなくなってしまいます。でも、それが上達のための練習なんです。
もし、自己流で気持ちいいと感じる状態でグリップを握ってしまうと、それが自然に身についてしまい、間違ったグリップのまま練習を続けてしまうことになります。たとえるなら、土台がぐらぐらのまま家を建ててしまう、といった感じでしょうか。
ほとんどの日本人は箸の持ち方が間違っているといいますが、それは自分が心地いいと感じる部分で握っているからだと思います。箸だって正しい持ち方に強制されれば、食事をするのも面倒に感じますよね。
そのぐらい、ゴルフのグリップも慣れるまではとても気持ち悪いものなんです。これはゴルファーなら誰もが避けて通ることはできません。
市販のグリップ練習器具が効果的
正しいグリップの握り方をマスターしないと、その後のゴルフが難しく感じてしまいます。これを読んでいるスコア100を切りたいゴルファーなら、まずは自分のグリップが正しく握れているかどうかのチェックをしてください。
では、正しいグリップはどうやって覚えればいいのか。
レッスンに行く人はコーチから指導されますが、もし独学で覚えるというのではあれば、写真のような市販のグリップ練習器具を使うのがいいでしょう。正しいグリップの握り方とフェースの向きを確認することができます。練習場に行かなくても、これを握るだけで正しいグリップのイメージが身につきます。
グリップはゴルフの基本ですが、ツアープロでも必ず確認するほど重要な項目です。ここをおざなりにせず、常に正しく握っているかどうかチェックしてください。
教えてくれた人 マーク金井(かない)さん
ゴルフクラブアナリスト。ゴルフ誌のほか、テレビやラジオでも活躍中。ハンデ3の腕前と豊富な知識を生かした分かりやすい解説には定評がある。悩めるゴルファーのためにゴルフスタジオ「アナライズ」(東京・神田)を自ら主宰している。近著に「一生役立つゴルフ超思考法」(マイナビ)がある。
取材・構成/清水晃(メディアサンライツ) 撮影/小板直樹