ジュン羽生が答える!第14回・正しいダウンスイングと練習方法をプロが解説!
ゴルフのスイングにおいて、クラブを振り上げた状態から下ろしてくる部分のことをダウンスイングといいます。
ダウンスイングが良くならないとショットにはどのような影響があるのでしょうか? また、正しいダウンスイングとはどのようなものでしょうか。
過去の成績からミスター29の異名を持ち、数々のゴルフスクールも経営する羽生淳一プロに教えてもらいましょう。
ゴルフのダウンスイング始動のポイント
ダウンスイングの始動は、トップからの切り返しと言ったほうがわかりやすいでしょうか。ここで悩んでいる人が意外と多いようです。
では、始動のポイントをズバリ、お教えしましょう。
ダウンスイングの始動のポイントは左足です。左足の踏み込みから始動は始まるのです。
正しいダウンスイングとは
始動のポイントが分かったら、つぎは正しいバックスイングを知っておく必要があります。
ここから左足を踏み込む
トップで右足にかかっていた体重が、左足を踏み込むことで一気に左サイドに移動します。踏み込むと一瞬“間”が出来て、その後自然と右肘が下がり、連動して腕を下ろします。この一瞬の“間”がいわゆる“タメ”です。
“タメ”を作るとクラブが少しだけ遅れて降りてきて、ダウンブローに打ちやすくなります。“肩を回す”とか、“腕を下ろす”と身体だけ回ってしまって、肩が開いてしまいスライスの原因となります。左足を踏み込んで、左肩が開かないまま、少し“間”でき腕が自然と降りてくる。コレが理想です。
ダウンスイング始動のコツ
練習場に行かなくても、自宅でダウンスイング始動の練習はできます。
トップの形を作り、左足を踏み込む。これを繰り返してください。
ひたすらこれをやりましょう。その時に気をつけたいポイントが
・ 肩が開いていないか?
・ 右肘が下を向いているか?
・ 手首とクラブの角度はキープできているか?
肩が開く(飛球線方向に方が回っていく)ということは、踏み込んだ力が逃げてしまいます。スイング軌道もカットになりスライスを誘います。踏み込むことで開き過ぎを抑え、クラブが体の正面から外れることなくインパクトへ向かっていきます。
右肘が下を向いて、クラブが下りていくのですが、これはあくまで結果です。右肘を真下に下ろすことだけに、集中すると振り遅れの原因になります。こちらについては次の章で詳しく説明します。
手首とクラブの角度は90度をキープしてください。上手く“間”を作ることが出来るとこの角度は一瞬90度以下になってしまいますが、バックスイング編で説明したこの90度は、ダウンスイングでもキープしてください。手首コックを保つことが飛距離アップの極意でもあります。
写真と自分の姿を鏡などに映してチェックするといいでしょう。
ダウンスイングで右肘を真下に下ろして良いの?悪いの?
ダウンスイングで右肘を真下に下ろす。結論としてこれは正しいです。始動で左足を踏み込むと、自然と右肘は真下に下りてくるため、「結果的に真下に下りてしまっている」。これが正解です。
しっかりと左足を踏み込まずに、強引に右肘を真下に下ろそうとすると、右肩が下がってしまいます。そこからインパクトまでクラブを持っていこうとすると、左肩を開いて身体を回すか、腕をリリースしないとクラブがボールに届かなくなってしまいます。
その結果、左肩が開くとカット軌道になりスライスし、腕をリリースすると振り遅れてしまいます。これが、ミスを誘う原因となりますので、自然に右肘が真下に下りるように、ダウンスイング始動の練習を繰り返し繰り返し、反復してください。
ダウンスイングのコツをプロが紹介
始動のポイントは左足の踏み込みです。その際に大切なのは、クラブが必ず自分の正面にあることです。正面からクラブが外れてしまうと、いわゆる振り遅れとなってしまいます。左足を踏み込み右肘が真下に下りるまで、ダウンスイングの“間”が生まれます。
実はこの“間”は、一瞬の振り遅れです。時間差を作ることでダウンスイングのタメが生まれるのですが、インパクトまでは、始動の勢いを緩めることなく、一気に左股関節に体重を乗せていってください。
その時に腰や肩が飛球線方向に流れないように、左足を踏み込むことで、トップで貯めた力を一気にインパクトに向けて放出し、左サイドの壁をキープすることができます。
羽生プロに聞く、ダウンスイングの極意
ダウンスイングの始動は左足の踏み込みがカギを握るということを、しつこいぐらい繰り返していますが、それだけ大切な動きです。この踏み込みが強くできるようになると、タメのあるスイングになり、ヘッドスピードが上がり、飛距離アップも期待できるでしょう。
スライスする、飛距離が出ない、アイアンがダウンブローに打てない、そんな悩みがある人は、ダウンスイングの始動をチェックしてみてください。もしかすると、左足をしっかり踏み込まないうちに、腕を使ったり、肩を回したりしているかもしれません。
教えてくれた人: 羽生淳一プロ
1984年生まれ、茨城県出身。サンクチュアリゴルフスクール代表、JGTOツアープロ。
取材協力・ライター:T島
1963年生まれ、広島県出身。中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。毎日更新のブログ「アナライズT島の商売してまっせ~ vol.3」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。ベストスコア68。
羽生淳一の「ジュン羽生が答える!」記事一覧
(1) スライスしない方法編 - (2) 正しいアドレス編 - (3) 正しいドライバースイング編 - (4) アイアンの正しいスイング編 - (5) クラブの役割と飛距離の把握編 - (6) ドライバーの飛距離アップ編 - (7) ミスしないアプローチ編 - (8) 楽しいアプローチ練習編 - (9) シャンクの原因と直し方編 - (10) トップする原因と対策ドリル編 - (11) バンカーショット一発脱出編 - (12) フォロースルーは大きく!編 - (13) 素振りの重要性と練習編 - (14) ダウンスイングの練習編 - (15) ドライバーとアイアンの違い編 - (16) テイクバックのコツをつかむ編 - (17) パッティングのコツ編 - (18) 平均飛距離と打ち方のコツ編