稲津暢の「ゴルフの上達が早い人遅い人」第3回~上達が早い人は長期間通うレッスンは苦手
僕がゴルフレッスンをしていて感じるのは、ゴルフを始めてからシングルハンディになるまでの所要年数で最も多いのが2~3年ということです。
逆に言えば、ゴルフを始めてから3年経ってもシングルハンディになれない人は、5年後も10年後もシングルハンディになれない確率が高いのです。
もちろん、これには例外もあります。コツコツと練習を積み重ねて、長い年月をかけてシングルハンディになる人もいますし、最初はエンジョイゴルフだったけど、何かのきっかけに一念発起してシングルハンディを目指して達成する人もいます。
でも、一般的にはシングルハンディになる人のほとんどが、短期間で集中的に時間と労力をかけてゴルフに取り組んでいる傾向があると感じています。
上達が早い人は3カ月や6カ月のスパンで伸びしろを見る
それはある意味、当然のことで、社会人になってからゴルフという新しいスポーツを始める際、中学時代や高校時代のように3年間や6年間、部活動のように時間を費やすのは非常に難しいです。
また、大人になってくると手を抜く方法も分かってきますし、ずる賢さも出てきますから、5年も10年も根を詰めて練習できるものではありません。
だからゴルフを教える立場としても、3カ月とか6カ月のスパンで区切って、集中的にやったほうがいいとお伝えします。そうしないと、仕事の都合などでゴルフをなかなか続けられない環境になってしまうことがあるので、決めたスパンの中でどれくらい伸びるのかを見ながらレッスンするようにしています。
上達が早い人は長期間にわたって通うレッスンは苦手
ただ、このようなゴルフレッスンのスタイルは、もしかしたら僕がレッスン活動だけでお金を稼いでいるわけではなく、レッスン活動以外に収入があって余裕があるからという側面があるかもしれません。
一般的なゴルフレッスンは、なるべく長期間にわたって通ってもらったほうが、収入的にはプラスになりますから、短期間で上達させることに重きを置いていないケースも見受けられます。ただ、起業家タイプの人は、長期間にわたって通うタイプのゴルフレッスンを好まない傾向があります。
起業家タイプの人は、100を切るため、90を切るため、80を切るために、自分に何が必要で、どういうことを伸ばしたら達成できるかという発想を持っています。そういう人は、自分で考えた上達の要素に対しての優先順位をプロに確認をしに来る傾向がありますので、やっぱり上達のスピードが早くなります。
教えてくれた人:稲津暢(いなつ・とおる)さん
1979年生まれ。國學院大學経済学部卒、テキサス州立大学大学院にて経営学修士(MBA)。MBA取得後にプロ宣言し、PGAツアーのマンデー予選を中心にアメリカのミニツアーに参戦。その後、国内大手コンサルティング会社に入社し、基幹業務システム導入やマーケティング戦略立案に従事。2008年、IF Business Consulting株式会社を設立。企業経営者に特化したゴルフレッスンとコンサルティングサービスを提供している。
構成/保井友秀(ゴルフライター)
稲津暢の「上達が早い人遅い人」記事一覧
(1) 能動的な発言を心懸ける編 - (2) 短期集中タイプが強い編 - (3) 長期間通うレッスンは苦手?編 - (4) 自分をレーダーチャート分析編 - (5) 歳をとってからでも上達編 - (6) 仕事と両立でどちらも伸びる編 - (7) 数字をしっかり見る編 - (8) ベストより平均にこだわれ編 - (9) 上達できる環境に飛び込む編 - (10) できない理由を並べない編