QP関雅史の「100をつかむアプローチテクニック」第7回~無理をせず、グリーンに乗せることを最優先に!
第7回 下りのアプローチは無理をしない
下っているグリーンにアプローチする場合でも、ライさえよければスピンがかかるので割と止まります。しかし、グリーンをオーバーしたときはたいていラフからのショットになるので、スピンがかかりにくく止めるのに高さが必要となります。
高さを出すためにはなるべくフェースを真っ直ぐ出す
高さを出す場合は、通常ピッチングウェッジやアプローチウェッジを使って寄せている人もロフトの大きなサンドウェッジを使いましょう。その際は、なるべく手を返さないようにして、フェースが真っ直ぐに動くようにスイングすることが大事です。手を返すとフェースがかぶってロフトが立ってくるので十分な高さが出ません。
もっとも、100切りが目標という人なら無理にピンデッドをねらわない方がいいでしょう。ピタッと寄せようとして無理に止めに行こうとすると体が反応して他のエラーが出るからリスキーです。
アプローチでやってはいけないのは、グリーンに乗らないこと。さらに一番悪いのは「状況が変わらないこと」です。
カップをかなりオーバーしても、グリーンにのせた方が有利
したがって、自分ができることとできないことを割り切ることが大事です。
確実に止めて寄せる自信がなければ、オーバーしても乗せることを優先します。仮に7メートルとか8メートルのパットが残ったとしてもオンさせた方がいい結果になります。むしろ、そこにショットを打ってしまった自分が悪いと考えて、次のパットを頑張りましょう。
とはいえ、下り傾斜で7~8メートルオーバーさせてしまっても、返しのパットは意外と難しくありません。オーバーさせたボールは傾斜の強い方向に真っ直ぐに転がるので、返しのパットはストレートに近い上りになるからです。
また、フックラインやスライスラインが残ることもありますが、ボールが転がっていくときのラインをしっかり見ておけば、返しでどれくらい曲がるかはある程度予測できます。
よく、プロがアプローチをミスしたときにボールをずっと見続けますが、あれはシマッタと思って呆然としているわけではなく、次のパットのことを考えているからです。アプローチは「打って終わり」ではなく、ミスしたときにどうセーブするかも大事なことです。
教えてくれた人:関 雅史(せき・まさし)プロ
関雅史プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。ニックネームはQP。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ