QP関雅史の「100をつかむアプローチテクニック」第13回~ストレートネックとグースネック、アマチュアにオススメなのは圧倒的に…
第13回 アマチュアにはストレートよりもグースがやさしい
ホーゼルからリーディングエッジのラインがまっすぐに見えるものを「ストレートネック」、リーディングエッジがホーゼルよりも右に引っ込んでいるものを「グースネック」といいます。
何となく「かまえやすい」とか「かまえにくい」とか、ストレートネックとグースネックをフィーリングで選んでいる人が多いようですが、そこは、よく考えた方がいいところです。
ストレートネックはアッパー軌道になるのでボールを拾いやすい
ストレートネックとグースネックの機能上の大きな違いは「入射角」です。
リーディングエッジが出ているストレートネックのウェッジは、アイアンの中で唯一ウッドに近いクラブともいえます。ウッドのようにアッパー軌道でボールをすくいやすいように作られているのです。ターフを取らないでボールだけを拾っていくアプローチ巧者には、すごく使いやすい形状といえます。
ところが、アマチュアに多いのは「ボールを右に置いて打ち込んでいくタイプ」の人です。こういう人が刃の出たストレートネックを使えばダフリやすくなります。その点、グースネックはヘッドを上から入れても刃が遅れてくるからダフらないようにできています。短いアプローチでも、ターフとるような人は絶対にグースネックが合います。
自分のかまえ方で選ぶ方法もアリです。
ボールを真ん中に置いて構える人は、ウェッジを振り子のように振って、最下点でボールを拾う打ち方になるのでストレートネックが合います。これに対し、ボールを右に置く人は上から打ち込むのでグースネックが合います。
グースネックはダウンブローに打ちやすく、フォローと出球が低い
このほか、ストレートネックとグースネックの違いとして挙げられるのは「出球の高さとつかまり具合」です。
最下点でボールを打つストレートネックは、ロフトなりの打ち出し角が出ますが、それよりもボールを右に置いて打ち込むグースネックは、インパクトロフトが立つので打ち出し角が低くなります。また、ストレートネックよりも重心角の大きいグースネックは、フェースが返リやすいので球をつかまえることができます。その点だけを見ても、一般レベルのアマチュアには使いやすいのはグースネックといえます。
教えてくれた人:関 雅史(せき・まさし)プロ
関雅史プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。ニックネームはQP。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ