QP関雅史の「100をつかむアプローチテクニック」第3回~振り幅と飛距離を「時計の文字盤」で覚える
第3回 アプローチで大事なのは距離感
アプローチのミスの多くは距離感の間違いです。球が目標よりも左右にぶれる場合も、打ち出し方向のミスというより、スピード、つまり距離の間違いでラインから外れてしまうケースがけっこうあります。
したがって、距離感さえものにすればワンパット圏内に寄せられる確率はぐんと高くなります。
振り幅=距離、自分なりの振り幅と距離感を見つけよう
さて、距離感の作り方ですが、残念ながら距離感は人に伝えることができません。その人の距離感はその人だけのものなので自分見つけるしかありません。
ゴルファーには、「インパクトの強弱で調整するタイプの人」と「振り幅で距離を合わせるタイプの人」がいます。
ただし、インパクトに強弱をつけるといっても、自分の感覚だけが頼りなので日によって変わることもあり、それを微調整するのは経験を積み重ねた上級者でないと難しいでしょう。また、そうした上級者でも、自分で意識していないだけで、同じ距離で同条件なら毎回同じ振り幅で振っているはずですし、上達する過程では振り幅で距離感を身につけて来た人が多いでしょう。
9時→3時、8時→4時、振り幅は時計の文字盤で作る
したがって、誰でも、一定の振り幅で何ヤード飛ぶかという基準を見つけ、そこから自分の距離感を作っていくべきです。もっともイメージをつかみやすいのは、クラブの振り幅を時計の文字盤に当てはめる方法です。たとえば「9時から3時までの振り幅だったら何ヤード飛ぶか、8時から4時くらいの小さな振り幅であれば何ヤードか」。それを基準にして、もう少し飛ばしたければ振り幅を少し大きく、抑えたければ振り幅を小さく微調整するようにします。そうすればまったく見当はずれに飛んでしまうというミスはなくなります。
また、実際にスイングするときは、9時から3時の幅で振りたければ、9時から2時くらいまで振るつもりでフォローを大きくしましょう。9時から3時まで同じ力感で振ろうとすると、ボールが衝突したときに減速して9時から4時くらいの振り幅になってしまうからです。
教えてくれた人:関 雅史(せき・まさし)プロ
関雅史プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。ニックネームはQP。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ