中井学の「ドライバーショット成功の法則」第1回~1番ホールのプレッシャーを乗り越える考え方・誰でもプレッシャーを感じる!
ティショットでミスをしないために
初めまして、プロゴルファーの中井学です。
今回は100切りを目指すアベレージゴルファーの皆さんに向けて「成功するドライバーショット」のポイントを解説します。
誰でもプレッシャーを感じるのは当然
スタートホールのティショットで、OB、池、チョロ、ダフリといった大ミスの経験がある人は少なからずいると思います。では、なぜそれらのミスをしてしまうのでしょうか。また、その原因を考えたことがありますか。
おそらくほとんどのアベレージゴルファーは、スタートのホールは絶対にミスしないように、いつも以上にガチガチになってティショットを打っていると思います。でも、ちょっと振り返ってみてください。ほかのゴルファーがティショットを打っているとき、そこが1番ホールなのか、それ以外のホールなのか、まったく意識して見ていませんよね。
つまり、ミスをしてしまうゴルファーの多くは「ここは1番ホールだから」というプレッシャーを自らの脳に強く命令してしまうために、いつものようにカラダが動かなくなってしまうのです。
1番のホールのティショットで、プレッシャーがかからない人なんていません。ツアープロだって緊張しています。私に言わせれば、プレッシャーはかかって当然だと思います。むしろ、そういったプレッシャーが常にあるものだと認識したうえで、成功するまで経験値を高める、あるいは成功体験を増やすことが必要だと思っています。
自分の中で肯定的にとらえる
ゴルファーは、ティショットを打つときのプレッシャーから逃げられません。それを避けようとして一番やってはいけないのが、打つ前にいろいろ警戒してしまうことです。
これらは脳の特性が大きく関係しています。脳では思考そのもののポジティブ、ネガティブを判断していないため、自ら意識したことがそのままカラダに現われます。つまり、
・ 池に入れたくない、池に入りそう → 池に入る
・ OBへ打ってはいけない、OBが怖い → OBに入る
実は、これらはすべて脳が勝手に命令しています。
脳内では思考がそのまま判断されるため、ネガティブなことを打ち消そうと思っても体が反応してしまいます。よく、プロゴルファーが最終ホールの数十センチのパッティングで、手がしびれたり、ゆるんだりするときがありますが、それらはこうした脳の命令と対峙することから起きています。
ですから「失敗したらどうしよう」と思わず、失敗してもいいからフェアウェイに打つぞ、というように自分の中で肯定的にとらえた方がいいのです。
ところで、ミスしたのは自分のメンタルが弱いからだと思っている人が多いのですが、実はミスの多くは技術的な問題がほとんどです。その証拠に、練習場で3割しかフェアウェイに飛ばない人は、コースに行ってもだいたい3割になります。
誰でもミスするのは当たり前です。しかし、たとえ飛距離が出なくても、まっすぐ飛んでフェアウェイにボールが落ちていればいいじゃないですか。それでもナイスショットだと思える感覚が重要なのです。
上手くなりたいのであれば、ミスしたことを引きずらず、次のショットで何をすればいいかを考えたいですね。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
ツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、2016年東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)にてレッスン開講している。
取材/清水 晃(メディアサンライツ) 撮影/斎藤秀明
中井学の「ドライバーショット成功の法則」記事一覧
(1) 1番ホールのプレッシャー編 - (2) 練習場で気を付けたいこと編 - (3) グリップへの意識が重要編 - (4) 安定したアドレスとは編 - (5) まっすぐ飛ばない理由編 - (6) スライスは何のせい?編 - (7) チーピン防ぎは気付きから編 - (8) 適切な弾道の高さを知る編