関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」第11回~超目玉のバンカー!アンプレヤブルの前に、賭けたい一手
目玉のバンカーショットはクラブのとがっているところを砂に突き刺すとお伝えしましたが、この打ち方が通用するのは、砂に埋まっているボールの範囲が半分程度までの場合です。それ以上埋まっている場合は普通の打ち方ではボールは出ません。
では、アンプレヤブルを選択するしかないのか。もちろん、それも選択肢の一つではありますが、ちょっと変わった打ち方をすればボールを出せる可能性があります。
超目玉のバンカーショットはクラブのトゥー側を砂に突き刺す
ボールが半分ほど埋まっている状態だと、約2センチ砂にもぐっていることになりますが、ボールの表面がほとんど見えない状態だと、3~4センチ近くボールがもぐっていることになります。
この状態のボールを打つ際は、リーディングエッジよりもさらにとがっている部分を探さなければなりません。その場所は、クラブのトゥー側なのです。
この部分をどうやって使うのかイメージが湧かないかもしれないのですが、自分から見てボールの向こう側の砂に、クラブのトゥー側を突き刺すのです。
そんなところにクラブを突き刺したら、ボールが自分のほうに飛んでくるのではないかと思うかもしれませんが、大丈夫です。砂に突き刺した瞬間に砂の抵抗でクラブヘッドがグリッと回転し、不思議とボールがグリーン方向に飛ぶのです。
とにかく思いきり振り抜いてバンカーからの脱出を優先する
ただ、グリーン方向に飛ぶといっても、ピンに向かって必ず真っすぐ飛ぶわけではありません。脱出優先のショットなので、左右のバラツキは許容範囲としてください。
打ち方は、とにかく思いきり振り抜くこと。ボールを打つという意識ではなく、クラブのとがったところを砂に突き刺して、バンカーの外に砂をかき出すようなイメージで振り抜けば、砂と一緒にボールが前に飛びます。
かなり奇抜なショットではありますが、成功すればアンプレヤブルを宣言するよりも少ない打数でホールアウトできる可能性が高くなります。まずは練習場で周囲の安全を確認しながら試してみてください。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀明 撮影協力/ザ・インペリアルカントリークラブ
関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」記事一覧
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