関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」第5回~スピンの掛かりやすいサンドウェッジは高重心のものを選ぶ
スピンがかかりやすい打ち方があると同時に、スピンがかかりやすいサンドウェッジもあります。スピンがかかりやすいサンドウェッジがどういうものかといいますと、高重心であればあるほどスピンがかかります。
以前はサンドウェッジのスピン性能を高める際、溝の深さや形状によってスピンのかかりやすさを追求していました。しかし、今は溝規制が厳しくなったため、溝に関しては各メーカー横並びとなり、重心の高さでスピンをかけるという流れになっています。
サンドウェッジは高重心であればあるほどスピンがかかりやすい
サンドウェッジに限らず、ゴルフクラブは重心が高ければ高いほど低打ち出し高スピンになり、重心が低ければ低いほど高打ち出し低スピンになります。
飛距離性能を追求しているドライバーやアイアンは、できるだけ低重心になるように設計されています。重心点よりも上にボールが当たると、重心点(クラブの下側)が前に行こうとしますから、打ち出しが高くなります。そうすると低スピンになります。
スピン性能を追求しているサンドウェッジは、できるだけ高重心になるように設計されています。重心点よりも下にボールが当たると、重心点(クラブの上側)が前に行こうとしますから、打ち出しが低くなります。そうすると高スピンになります。
スピンがかかるウェッジはネックが長くてバックフェースの上側が肉厚
サンドウェッジの重心を高くするために何をするかというと、大きく分けて2点の特徴があります。1点目はネックの長さです。
スピンがかかりやすいと言われる単品ウェッジのネックは、アイアンセットのウェッジのネックよりも長くなっています。これは重心を高くするために、ネックを長くしているのです。最近の地クラブウェッジの中には、ここにタングステンのウエイトをつけて、重心を高くしているものもあります。
2点目はバックフェースの形状です。スピン性能を追求する最近のサンドウェッジは、バックフェースの上側が肉厚になっています。ここを肉厚にすると重心が高くなるのです。
したがって、スピンがかかるサンドウェッジを手に入れたいのであれば、このような特徴を持った商品を選んでください。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀明 撮影協力/ザ・インペリアルカントリークラブ
関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」記事一覧
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