関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」第10回~目玉のバンカーショットはリーディングエッジで見事脱出!
バンカーの砂が軟らかいと、ボールがバンカーに落ちると同時に砂にめり込んでしまう、いわゆる「目玉」の状態になります。これはバンカーショットの中でも難易度の高いライです。
ただ、ここでバンカーショットのクラブの入れ方に関する約束を思い出してほしいのです。フェースの真ん中にボールを当てるためには、クラブヘッドをボールの2~3センチ下の砂にもぐらせるのでしたね。
したがって、砂が軟らかかろうが、目玉だろうが、クラブヘッドがボールの2~3センチ下の砂に入りさえすれば、ボールを飛ばすことができます。
目玉のバンカーショットはクラブのとがっているところを砂に突き刺す
ゴルフボールの直径は42.67ミリメートル以上と定められています。つまり、ボールが半分ほど埋まった状態だと、約2センチ砂にもぐっていることになります。
砂に約2センチもぐっているボールの、さらに2~3センチ下の砂にクラブヘッドを入れるということは、合計4~5センチもぐらせる必要があります。
ここで皆さんに水泳の飛び込みの場面を思い浮かべてほしいのですが、飛び込みに失敗し、お腹を水面に打ちつけてしまった場合、水しぶきがたくさん上がります。これが砂の爆発を利用したバンカーショットのイメージです。
一方で、手をしっかり伸ばし、頭の先からスムーズに飛び込んだ場合、水しぶきがあまり立たず、水の中に体を深く沈めていくことができます。
これと同じように、目玉のバンカーショットはクラブヘッドのとがっているところを砂に突き刺していけば、砂に深くもぐらせることができます。クラブヘッドのとがっているところといえば、リーディングエッジです。
残り距離に関係なくフルショットでとにかくバンカーの外に出す
クラブヘッドのリーディングエッジを砂に突き刺すためには、ハンドファースト&左足体重で構えます。クラブフェースはスクエアよりも少し閉じ気味にしたほうが砂に刺さりやすくなります。時計盤で示すと11時の向きになります。
そして、振り幅はとにかくフルショットです。ピンまでの距離に関係なく、オーバーしてもいいから、バンカーの外に出すことを優先します。
ハンドファーストかつ左足体重で構えているので、ボールは上がりません。したがって、ピン方向のアゴが高い場合は、アゴの低い方向へボールを出すことも念頭に入れてください。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀明 撮影協力/ザ・インペリアルカントリークラブ
関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」記事一覧
(1) 真っすぐ打つのが基本編 - (2) ヘッドは砂にもぐらせろ編 - (3) 振り幅意識で精密ショット編 - (4) スピン調整で上り斜面脱出編 - (5) SWは高重心のものを編 - (6) ランを使って寄せる技術編 - (7) 距離のあるバンカー攻略編 - (8) 上がりのバンカー攻略編 - (9) 下がりのバンカー攻略編 - (10) 目玉にはリーディングエッジ編 - (11) アンプレヤブルの前に編 - (12) SWを変えてみるのも手編 - (13) とにかくダフらない意識を編 - (14) 博打をしないマネジメント編