関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」第7回~距離のあるバンカーは「しゃくり上げホームラン」で抜ける!
バンカーショットの飛距離は、通常ですと振り幅の1/3になります。したがって、60ヤードの振り幅で振っても20ヤードしか飛びません。
ただ、ピンまで相当な距離があるバンカーショットの場合、考え方を少し変えなければなりません。なぜならば、バンカーショットで一般的に使用するサンドウェッジだと、フルスイングの飛距離は70~80ヤードです。そうすると、30ヤード以上のバンカーショットはフルスイングでも届かないことになります。
30ヤード以上の距離があるバンカーに入ってしまった場合、プロゴルファーは「インテンショナル(意図的な)ホームラン」を打ちます。本来はミスショットである「ホームラン」を、意図的に打って距離を出すのです。
距離のあるバンカーショットはインテンショナルホームランを打つ
通常のバンカーショットの場合、クラブをボールの2~3センチ下にもぐらせることで砂の爆発を起こし、ボールをバンカーの外に出します。しかし、距離のあるバンカーショットの場合、この打ち方では届かないので、クラブを砂にもぐらせずに打つ必要があります。
そのために何をするかと言えば、クラブの入射角度をゆるやかにして、ダウンブローに打たないようにします。
そもそも、「ホームラン」になる時は、ダウンブローではなく、しゃくり上げるようなスイングになっています。ですから、そういうスイングのマネをすればいいのです。そのために効果的なのが、バックスイングでシャフトをフラットにすることです。そうすれば、横振りになってダウンブローに打てなくなりますから、自動的にホームランになります。
入射角度をゆるやかにして、ピンまでの距離と同じ振り幅で振り抜く
バックスイングでシャフトをフラットにしたことで、自然とダウンスイングも横振りになります。クラブの振り幅ですが、砂を爆発させることなくボールをヒットしますから、通常と同じ振り幅でOKです。40ヤードのバンカーショットであれば、40ヤードの振り幅で打ってください。
そのような打ち方よりも、ロフト角が52度のウェッジを使ったほうが簡単という人もいますが、私はそちらのほうが、リスクが高いと思います。
ただ、インテンショナルホームランも難易度が高いショットですから、まずはバンカー練習場などで周囲の安全を確認しながら試してみてください。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀明 撮影協力/ザ・インペリアルカントリークラブ
関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」記事一覧
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