【初心者必見】フェアウェイウッドの打ち方と練習法をプロが解説

【初心者必見】フェアウェイウッドの打ち方と練習法をプロが解説
飛距離を稼げるフェアウェイウッドは、スコアメイクのために重要なクラブです。その一方で、初心者のうちはダフりやトップといった大ミスが出やすいクラブでもあります。まずは基本の打ち方をマスターして、なぜミスが出るのかを理解することから始めましょう。
フェアウェイウッドを打ちこなせるようになれば、スコアが安定するだけでなく、楽に100切りを目指すこともできますので、ぜひマスターしてくださいね。
【プロフィール】坂口悠菜プロ
岡山県出身。作陽高等学校ゴルフ部卒業後、名古屋商科大学ゴルフ部でキャプテンを務める。現在は南秀樹プロが主宰する3.7.3ゴルフアカデミー(香川県)でレッスンを中心に活動。丁寧でわかりやすいレッスンが評判の人気コーチ。
フェアウェイウッドの特徴
フェアウェイウッドは、ヘッドが平らで、フェースが上下に薄い形状のクラブです。ヘッドのサイズはドライバーよりも小ぶりですが、ウッド型ユーティリティーより大きくなります。
また、クラブヘッドのフェース面からヘッド内部の重心点までの距離を示す重心深度が深い(距離が長い)ため、ボールがつかまりやすく、高い打ち出しが期待できる設計です。しかしクラブの長さがあるので、しっかり高さを出して遠くにボールを飛ばすためには、打ち方にもある程度の技術が必要になります。まずは、フェアウェイウッドの特徴について知っておきましょう。
フェアウェイウッドのロフト角と飛距離の目安
フェアウェイウッドを地面に垂直に立てたとき、シャフトとフェース面が作る角度を表すロフト角の設定は、ゴルフメーカーによって異なります。一般的に3番ウッドで平均的には15度前後、5番ウッドで18度前後、7番ウッドが21度前後、9番ウッドが25度前後となっています。
飛距離は、一般的な男性アマチュアゴルファーで3番ウッドが180~235ヤード、5番ウッドは170~210ヤード、7番ウッドは180ヤード前後です。
なお、女性の場合、3番ウッドは150~180ヤード、5番ウッドは140ヤード前後、7番ウッドは100~120ヤードが目安となります。
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フェアウェイウッドの別名
フェアウェイウッドには、数字とは別の呼び方があります。3番ウッドは「スプーン」、4番ウッドは「バッフィー」、5番ウッドは「クリーク」です。
フェアウェイウッドは、数字が小さくなるほどフェース面の角度が少ない、いわゆるロフト角が立っていて、長さも長くなるので打ちこなすのが難しくなります。最近は7番ウッドや9番ウッド、時には11番ウッドといったショートウッドを、ロングアイアンの代わりに入れる女子プロも増えています。
■フェアウェイウッドのクラブの特徴
フェアウェイウッドの基本の打ち方
フェアウェイウッドは、ドライバーの次に飛距離が出るクラブです。ティーショットや2打目など、長い距離を狙うときに活躍するため、しっかり使いこなせるようにしておきたいもの。ここからは、フェアウェイウッドの基本の打ち方について見ていきましょう。
スタンスとボール位置
スタンス幅は、肩幅よりも少し広くセットするのが基本ですが、番手によって微調整してください。ボール位置はドライバーが左足のかかとの線上で、ユーティリティーが両足の真ん中あたりだとすると、ちょうどその中間がフェアウェイウッドの場合のボール位置です。
手元はフェアウェイウッドに限ったことではありませんが、左股関節の前にしましょう。左目の真下にセットすると、常に同じ形で構えることができます。
振り方
フェアウェイウッドの振り方は、よく払うように打つのか、上から打ち込むのかという議論になりますが、クラブの長さやヘッドの形状、そしてロフトが立っている点から、打ち込んでしまうとフェース面でボールが滑って右方向にミスが出る可能性が大きくなります。ヘッドの動きはボールの前後で、低く長く動かすように意識してください。
ヘッドを低く長く動かすポイントは、手首を使いすぎないこと。手首を使うと手元が支点になり、ヘッドがボールに対して鋭角に入りやすくなります。
ヘッドをボールの低い位置から入れて低い位置に抜くためには、体を支点にして、手元を大きく動かすことがポイントです。
手元が体から外れると軌道が鋭角になってしまうので注意。
ただし、意図的にクラブを地面に低く、長く滑らせようとすることはやめましょう。フェアウェイウッドはクラブの底面であるソール幅が広い設計なので、滑らせようと無理に意識すると、ダフる可能性が高くなるからです。
手先でクラブを動かさないことが大切。
体の回転を止めずに、手元を大きく動かすようにしましょう。
フェアウェイウッドに起こりやすいミスを防ぐには?
フェアウェイウッドに起こりやすいミスには、ボールの手前の地面を打ってしまうダフりと、ボールの上を打ってしまうトップがあります。ここでは、それぞれのミスを防ぐための注意点を紹介しましょう。
ダフりを防ぐコツ
ダフリやすい方は、右足体重になる傾向があるので、インパクトでしっかり左足に体重をのせることを意識してください。その際に注意してほしいのが頭の位置です。
テークバックで右サイドに動いた頭を、インパクトで構えたときの最初の位置に戻すように、顔がターゲット方向に向かないよう、下を向いたまま戻します。顔が打ちたい方向(ターゲット)を向くと、右肩が下がって余計にダフりやすくなるからです。
また、テークバックのときに頭が体の右サイドに動くのは、問題ありません。動かしたほうが体は回転しやすくなるため、リズム良く振ることができるでしょう。
目線をターゲット方向には向けず、顎を真下に向けたままの意識で、頭が傾かないように戻す。
トップを防ぐコツ
フェアウェイウッドでトップのミスが出る原因は、ヘッドがボールに届いていないからです。届かない理由は、手が前に出すぎている点にあります。
対策としては、クラブを左右の手を少し離して握る「スプリット」にして、ソールで地面をこする練習が効果的です。
スプリットで握ると、手が前に出なくなることに加えて、手首の余計な動きを抑えることができるので、体を使ってヘッドを動かせる感覚がわかるようになります。
ソール面で地面をこする感覚を身に付けよう。
フェアウェイウッドとユーティリティーの打ち方の違い
ユーティリティーとフェアウェイウッドは、一見似ているようですが、フェアウェイウッドはロフトが立っている設計で、シャフトも長いです。
ユーティリティーは、フェアウェイウッドに比べて長さが短い分だけ、軌道がアップライトになりやすいため、アイアンを打つような感覚で上から打ち込むのが基本です。
しかし、フェアウェイウッドはユーティリティーのようにスイングすると、ロフトが立っているため、ボールがフェース面を滑ってしまうので、横振りのように払い打つイメージにします。
また、スイングする際の、クラブ軌道の最下点の考え方も異なります。アイアン感覚で打てるユーティリティーはボールの先がクラブの軌道の最下点で、フェアウェイウッドはボールの中心位置が最下点です。
このことからも、フェアウェイウッドは払うように打つのが最適解ということがわかります。
フェアウェイウッドが上達する練習法
フェアウェイウッドをうまく打ちこなすには、地面スレスレで、低く長くクラブヘッドを動かすこと。そこで効果的なのが、低くティーアップしたボールを打つ練習です。
フルスイングする必要はないので、最初は腰から腰への振り幅で打ってみましょう。それができるようになったら肩から肩、最後にフルスイングという感じで段階を踏んで練習してみてください。
ボールを自分で上げようとせずに、フェースの角度どおりにヘッドをボールにあてるイメージを持ちながらやることがポイントです。
フェアウェイウッドの打ち方をマスターし、スコアアップにつなげよう
フェアウェイウッドで飛距離を出すためには、クラブのロフトどおりにボールにインパクトすることが重要です。そのためには、ボールにあたる前後のヘッドの動きがポイントとなります。ゆっくり振るというよりは、丁寧に動かすことを意識してください。
飛ばそうとしてボールを上から打つようにクラブを入れたり、ボールを高く上げようとしてあおり打ちになったりすると、飛距離が出にくくなります。また、スイングは変に加速させる必要はありません。
フェアウェイウッドは、狙いが狭いホールや飛距離よりも方向性を重視したいときのティーショットのほか、フェアウェイからの長いセカンドショット、浅いラフからのショットなどでも活躍してくれるクラブです。コンパクトにリズム良くスイングすることを意識して払い打つ、基本の打ち方をマスターしてスコアアップに役立ててくださいね。
協力/志度カントリークラブ