中井学の「ゴルフ・フィジカルを鍛える」第3回~1日1分、スイングの土台となる下半身の筋肉を鍛える!
筋力アップの効果的な練習法
本格的な飛距離アップを目指すとなると、スイングスピードを速くするための筋力アップトレーニング等が考えられますが、これを読んでいる100切りを目指すアベレージゴルファーのみなさんには、スイングスピードを速めるトレーニングをするのが得策だとはいえません。
まずは、スイングの土台となる下半身の筋肉をしっかり使い、さらに下半身の柔軟性をアップさせることで、スイングの安定性を高めることに取り組んでください。
もちろん、これらは普段の練習場で手軽にできます。
■ お尻の筋肉はスイングの要
相撲の四股のように両足を大きく開き、ヒザを90度曲げた状態にして、腰をトントンと軽く落とし込んで重心を下げてみてください。(写真A)これを数回繰り返してみましょう。
いかがでしょうか。大腿部(腿)の前側の筋肉、さらに後側の筋肉が両方とも使われているのが分かると思います。数回行うだけでもかなり効果があります。このようにして、下半身の筋肉を強化します。
飛距離が出るプロゴルファーは、お尻の筋肉が大きく、しかも柔軟性も高いのです。お尻の筋肉はスイングにとって重要。まずはここから強化してください。
さらに、もう少しできるという人は、ヒザが90度になるようにして背中を真っ直ぐにした状態で壁に背をくっつける空気イスをやってみてください。
これはこれなら1日1分でもかなり筋力アップできます。(写真B)
■ ラウンド終盤の疲れを減らせる
スイングの安定性を高めるためには、スネの外側にある筋肉(前脛骨筋)と、ふくらはぎの筋肉の強化もやっておくべきでしょう。
これは練習場のイスに座ったままでできます。
イスに座り、片足のヒザを真っ直ぐに伸ばした状態で、
(1) 足首を真っ直ぐに伸ばす(写真C)
(2) 次に足首が曲がるところまで曲げます(写真D)
これを10回ほど繰り返してください。前脛骨筋・ふくらはぎの筋肉が交互に使われているのが分かると思います。右足が終わったら左足も同じように行います。
このようにして、足首やスネの筋肉の柔軟性を高めるのが大切です。
よく、ラウンドの終盤に前脛骨筋やふくらはぎが疲れてくるのは、柔軟性が低く、筋肉が硬くなることで起こりやすくなるからです。
ただでさえ、ゴルフ場は傾斜地だらけです。傾斜地を歩くだけでも、普段あまり使うことがない筋肉が活動しています。ですから、足の筋肉の柔軟性を高めておくのが、疲労を軽減するためにも大切なのです。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
JGTOツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、16年、17年はJGTO(国内男子ツアー)東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)でレッスンを行っている。
<スタッフクレジット>
撮影/石上彰(gami写真事務所)
撮影協力/東宝調布スポーツパーク(東京都)