私の推しコース「ＰＧＡティーチングプロＡ級の資格をもつトーナメント運営会社経営者・下田和則さんに聞く」かねひで喜瀬ＣＣ
編集部：今回のゲストは、ＰＧＡティーチングプロＡ級の資格を持ち、ゴルフトーナメントの企画運営を手がける会社社長の下田和則さんです。まず、トーナメントの運営のお仕事の内容をお聞かせいただけますか？
下田さん（以下下田）：プロ競技の開催コース選定、そしてボランティアとして参加してくださるスタッフや運営スタッフなどの取りまとめから、ご来場いただくギャラリーの皆さまに楽しんでいただけるようなギャラリープラザの企画運営・手配など、多岐に渡ります。例えば男子ツアーは四日間競技ですが、その数年前から開催に向けて準備を始めることもあります。最近ジュニア向けのイベントもトーナメント会場でかなり開催しているので、ご家族連れで楽しく観戦いただけるようになりました。
また、男子ツアーでは今まではゴルフ場内での撮影は不可でしたが、ギャラリーの皆さまが自由に写真を撮影できるエリアを設けるなど、ファンサービス向上の取り組みを始めています。普段からゴルフをされるゴルファーの方であれば、トーナメント会場でボランティアとして参加してみることをお薦めしています。プロのプレーを間近で観られるチャンスは、何にも勝る究極の醍醐味だと思いますよ。
編集部：やはりご自身が子供の頃からゴルフをされていた経験、その頃の想いが現在につながっているのでしょうか？
下田：私は小学４年生のころ、父親の薦めでゴルフを始めました。たまたま同じような動機で始めた３人で、ショートコースで腕を磨きました。その当時、向太陽が主人公の漫画「あした天気になあれ」が流行っていたのも、ゴルフを続けてきた大きな要素だったかもしれません。アニメにもなりましたしね。ジュニア時代は静岡の川奈会出身プロ（川奈ホテルゴルフコース出身プロ）に師事し、杉本英世プロや、陳清波プロなどから技術指南を受けました。
今は仕事柄、ゴルフ場にはかなり行くのですが、プレーの方はなかなか出来ていません。下見などでトーナメントコースをラウンドする機会があるのですが、そんな時は心から幸せに感じますね。
編集部：今年（2017年）からＰＧＡの理事に就任されましたね。経営者とプロゴルファーの世界の両立は下田さんにとって何を意味しますか？
下田：シニアからジュニアまで年齢層幅広くゴルフの楽しさを伝えていくために、トーナメントやレッスン以外で活躍できるプロがもっと増えればいいなと。PGA登録プロは現在5，000人を超えています。TV放映のあるようなトーナメントに出場し、活躍しているプロはほんの一握りですので、ゴルフ業界、ひいてはプロゴルフの世界のど真ん中で、もっとプロが活躍できる場を、プロの職域を増やすことができればと言うことを常に考えて活動するようになりました。
編集部：それでは下田さんのイチ推しゴルフ場を教えてください！
下田：沖縄県の「かねひで喜瀬カントリークラブ」を推します。「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2017」（5月）の開催コースです。沖縄を代表する、戦略性が高く素晴らしいゴルフ場です。ウッズコース（9Ｈ）は山を感じ、オーシャンコース（9Ｈ）は海を感じさせ、対照的なところが特に面白いと思います。選手権ではウッズコースをOUT、オーシャンコースをINとして使用します。ショートホールすべての難易度が高いのでパー３でいかに守れるかというところと、ロングホールは攻めていけるホールなのでいかにバーディーをとれるか、がポイントかと思います。
また、グリーンはリオ・オリンピック会場コースと同じ、シーショアパスパラムという日本では珍しい芝を味わえるのもこのコースの特徴で、世界で戦おうとするプロもこの芝を経験するために練習に来るコースです。皆さんにも、ぜひこの芝の違いを味わっていただきたいですね。国内にいながらにしてアメリカの芝が体験できる、沖縄まで足を運ぶ価値のあるコースだと思います。
教えてくれた人：下田和則（しもだ・かずのり）さん
株式会社スポーツインダストリー代表取締役 公益社団法人日本プロゴルフ協会理事
1972年生まれ、静岡県出身。サラリーマンとして就職後、ＰＧＡティーチングプロＡ級試験に合格。2003年ＰＧＡ入会。大学ゴルフ部のヘッドコーチとしてブロック昇格に大きく貢献するなど、アスリート指導を積極的に行う。現在、プロゴルフトーナメントやアマチュア対象ゴルフイベントなどの企画運営を手掛ける。
取材・構成／キープペダリング
