平野茂の100切り宣言!第1回~3パット4パットが激減する即効ドリル
スコアの約4割がパット数といわれるくらい、パターは14本の中で最も依存度の高いクラブだ。100切りを目指す人であれば、その4割の40パット以内でホールアウトすることが当面の目標となる。
3パットや4パットを繰り返していると、いつまでたっても目標をクリアできない。
なぜ3パットや4パットを打ってしまうかというと、距離の長いファーストパットがカップに寄らないために、セカンドパット、サードパットもカップインできないでいるからだ。
とすれば10メートルくらいのロングパットの練習を多く積んで距離感を養うことが大事ということがわかるが、多くのゴルファーを100切りに導いてきた平野茂プロは、「それ以上に、しっかりとインパクトする感触を覚えることも大事です」と語る。
そこで、正しいインパクトの感触を身につけるためのドリルを教えてもらった。
パターはドライバー以上に使用機会の多いクラブなのだから、パットの練習にももっと時間をかけよう。
サンドウェッジのフェースの刃で当てて転がす練習をする
パットの練習なら当然パターを使うと思うだろう。
しかし、平野プロのいうインパクトの感触を覚える練習では何とサンドウェッジを使用するのだ。パターのフェースを面と考えるとインパクトの打点を認識しにくく、距離感をつくりにくいという難点があるという。
「サンドウェッジのクラブヘッドを軽く浮かせて構え、リーディングエッジ(フェースの刃)でボールの赤道に当てます。グリップとアドレスはパターを持つときと同じ握り方と構え方にします。パットのストロークの要領でリストを固定し、振り子のイメージでパターを振りましょう。フェースの刃とボールの赤道の一点をコンタクトさせる練習で、きちんと当てる感触をマスターしてください」
フェースの刃がボールの赤道よりも下に当たればボールが浮くし、赤道の上に当たるとボールがポコッと跳ねてスムーズに転がらない。この練習をしてみると、パターで打ったときにどれだけフェースの芯を外しているかを実感できる。
結局のところ打点がバラバラだから転がりが一定しないし、タッチを合わせるのも難しく、自分なりの距離感の基準値をいつまでもつくれないのだ。
球離れの早いインパクトの感触が距離感をつくる第一歩
リーディングエッジの点とボールの点を正面衝突させるイメージでストロークすることで集中力も高まるし、ストロークの軌道のブレも小さくなる。2つの点がきちんと当たれば、ボールがきれいに転がっていくこともよくわかる。この感触としては「球離れが早い」ということになる。それがしっかりしたインパクトの感覚なのだ。
「これができるようになると、ストロークの振り幅がこれまでの3分の2から2分の1くらいになってきます。振り幅が小さくなれば、その分だけストロークの軌道が安定し、打点の誤差がさらに減ります。サンドウェッジで転がす練習を積んで、きちんと当てたときの球離れの早い感覚のままでパターを持って打つと、驚くほど転がりが安定しますよ」
よいストロークのインパクトの音は、距離や振り幅に関係なく同じ音がする。点と点、つまりフェース面の芯とボールの赤道をコンタクトしてあげるとロングパットもショートパットも同じ音が聴けるという。
そうすればロングパットの距離感も合ってくるし、ショートパットのカップインの確率も向上する。結果的に3パットや4パットを打たなくなり、ワンラウンドのパット数が40以内はもちろん、30台前半の数字も出せるようになる。実はパットの上達こそが100切りの近道なのだ。
教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ
1973年9月29日生まれ。早稲田大学卒業後、プロ野球選手を目指すが、ゴルフに転向。2007年にJPGA公認インストラクターの資格を取得。東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、チーフインストラクターとして多くのアマチュアを指導している。師匠は叔父の中山徹プロ。
構成/三代崇 撮影/田辺恵理 撮影協力/フラットゴルフフィールド