関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」第8回~左足「上がり」のバンカーショットは傾斜に沿って立ってはいけない!
バンカーショットは必ずしも平らなライからボールが打てるわけではありません。ただ、ラフと比べると傾斜のきつい場所にボールが止まることは少なく、低いところまで転がり落ちてきますから、ツマ先上がりのライやツマ先下がりのライはほとんど遭遇しません。
しかし、左足上がりのライや左足下がりのライは、遭遇する場面がありますから、打ち方をマスターしておいたほうがいいでしょう。
左足上がりのバンカーショットは打ち終わったらヘソを目標に向ける
左足上がりのバンカーショットで最も発生しやすいミスは、ボールの下の砂にクラブが深く刺さりすぎて、ボールが飛ばないというパターンです。
左足上がりの場合、普段よりも砂の量が多い場所にクラブを打ち込んでいかなければなりません。それなのに、手先の動きや腕力だけでクラブを打ち込むと、砂が重くてヘッドが抜けなくなります。
腕力だけではヘッドを抜くことができませんから、腰をしっかり回して体幹の力を使って振り抜いていくことが重要になります。そのためには、打ち終わった後にヘソを目標に向けることを心がけてください。
左足上がりのバンカーショットは傾斜にそって立ってはいけない
ヘソを目標に向けることと同時に、アマチュアの方に知っておいてほしいのは、左足上がりのバンカーは傾斜にそって立たないことです。
傾斜地からショットする際、どんな場面でも傾斜にそって立つと思い込んでいる人がけっこういるのですが、必ずしもそうではありません。特に左足上がりのバンカーは、傾斜にそって立つとバンカーから脱出できないリスクが高まりますので注意してください。
左足上がりのバンカーは、右足で体重を支え、左足はヒザを深く曲げ、肩のラインは地面に対して水平をキープします。そして、重心配分を変えずに腰をしっかりと回し、ヘソを目標に向けます。
フィニッシュをしっかり取る必要はありません。クラブヘッドをグリーン方向に突き出すくらいまで腰を回すことができれば、それで充分にバンカーから脱出できます。腕の動きと体の動きが連動することに意識を集中してください。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀明 撮影協力/ザ・インペリアルカントリークラブ
関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」記事一覧
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