関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」第4回~正確なスピン調整で上り斜面を確実脱出!
バンカーショットは大きく分けると、スピンで止める球とランで寄せる球の2種類があります。
スピンで止めるのに適している場面は、上り傾斜に向かって打つバンカーショットです。グリーン面が受けているので、スピンがかかりやすくなります。
ランで寄せるのに適している場面は、ピンまでの距離があるバンカーショットです。アゴが低くてボールの落としどころが見やすく、グリーンに落としてからの転がりがイメージできるのであれば、ランを使って寄せます。
スピンをかけたい時は、まずハンドレートに構える
今回はスピンで止めるバンカーショットをご紹介します。
今どきのサンドウェッジでスピンをかけるには、フェースを開くのではなく、ハンドレートに構えることは以前お伝えしました。
スピンをかけたければかけたいほど、ハンドレートの量を増やしてください。こぶし1個分ハンドレートにした場合と、こぶし2個分ハンドレートにした場合で、スピン量がどのくらい変わるか試してみるといいでしょう。
ただ、ハンドレートの度合にも限度があります。右太股の前あたりが限度になりますから、それ以上スピンをかけたい場合はフェースを開くことになります。
さらにスピンをかけたい時は、フェースを1時の向きに開く
右太股の前あたりまでハンドレートにしてもスピン量が足りない場合、フェースを開きます。真っすぐ構えた時のフェースの向きが時計盤で12時とすると、1時の位置まで開きます。具体的な角度でお伝えするなら30度ということになります。
そうすると、ボールが高く上がる代わりに全然飛ばなくなります。クラブヘッドが通り過ぎてからボールが上がるようなイメージになります。
ただし、フェースを開くとボールが当たる範囲が狭くなりますから、フェース面にボールを当てることが難しくなります。このショットを駆使する場面というのは、ピンまでの距離がほとんどないけどボールを止めたい時などに限られます。
ピンまでの距離がほとんどないと、小さい振り幅で打たなければならなくなります。しかし、小さい振り幅で打つと、クラブが少しでも手前から入るとボールが飛ばなくなり、バンカーから脱出できないというリスクが高まります。
このような場面では、多少オーバーしてもいいから、まずバンカーから出すのが鉄則です。したがって、振り幅を大きくします。ただ、そのままだとボールが飛びすぎてしまいますから、振り幅を大きくしてもボールが飛ばないようにフェースを開くのです。
通常のバンカーショットは3倍の振り幅で打ちますが、この打ち方の場合は4~5倍の振り幅で打ちます。10ヤードのバンカーショットの場合、通常は30ヤードの振り幅で打ちますが、この打ち方であれば40~50ヤードの振り幅で打つことになります。
教えてくれた人:関浩太郎(せき・こうたろう)さん
1974年6月10日生まれ、茨城県出身。米国で最新のゴルフ理論を学び、帰国後は有名クラブ職人の下でフィッティング理論とクラフト技術を取得。2005年4月からは東京都目黒区でスイングレッスン、クラブフィッティング、チューンナップ、ショップとゴルフのすべてをサポートする「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀明 撮影協力/ザ・インペリアルカントリークラブ
関浩太郎の「1ランク上のバンカーショット」記事一覧
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