QP関雅史の「100をつかむアプローチテクニック」第11回~ウェッジのロフトの選び方「自分の打ちたい距離に合わせる方法」
第11回 ウェッジのロフトはピッチングウェッジを基準に考える
ウェッジのロフトの選び方には、2つの考え方があります。
1つは、自分の打ちたい距離に合わせる方法。例えば、グリーンまで残り100ヤードを基準にして攻め方を考える人ならば、アイアンセットのピッチングウェッジのロフト角や距離に関係なく、まず100ヤードをフルショットで打てるアプローチウェッジを選びます。
ピッチングウェッジを基準に等間隔の距離の階段を作る
しかし、100を切るかどうか…の人には、この方法はおすすめできません。なぜなら、決まった距離を残すことが難しいからです。
セカンドやサードショットの残りの距離が計算できない人は、まずピッチングウェッジのフルショットの飛距離を考えましょう。例えばピッチングウェッジの距離が130ヤードなら、その下に110ヤード、90ヤード、70ヤードを打てる3本を入れるなど、距離の階段がなるべく均等になるようにロフトを選ぶ方法をお勧めします。これなら、フルショット、ハーフショット、それより小さな振り幅の3つの打ち方でほとんどの距離に対応できます。
最近のアイアンはストロングロフトになってきて、ピッチングウェッジのロフトが40度以下というものまで登場しました。これに対し、アプローチウェッジの一般的なロフトは52度。間が12度も開いてしまい、飛距離は40ヤードから50ヤードくらいは違ってきます。そのギャップを埋めるために46、48、50度といったローロフトウェッジも増えてきました。
もし、自分のアイアンセットのピッチングウェッジのロフトが40度ならば、下に48度と56度を入れれば間隔は均等になりますが、飛ぶ人の場合はどうしても距離の段差が大きくなるので、ウェッジをもう1本増やして4本体制にする必要があります(例えば、48度、52度、58度など)。
3本か4本の中で、グリーン周りで使う中心的な1本を決める
さて、実際のラウンドでは、距離の階段に従ってオートマチックに使うロフトを選ぶ方法もありますが、より実践的な方法として、中間のロフトを中心にして距離感を作っていく方法があります。アプローチはふだんからなるべくアプローチウェッジで行うようにしておいて、その日の調子によってショートしがちなときはピッチングウェッジを使い、オーバーしがちなときはサンドウェッジを使います。
こうすれば、微妙な距離感の狂いに対応できます。
教えてくれた人:関 雅史(せき・まさし)プロ
関雅史プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。ニックネームはQP。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ