QP関雅史の「100をつかむアプローチテクニック」第4回~転がすアプローチの基本は「スタンスを狭くして短く握る」こと
第4回 ショートアプローチの基本は転がし
「ショートアプローチの基本は転がし」とよくいわれますが、実際には、転がすようなストロークで球を上げるピッチエンドランが正解です。
振り子の最下点で当てれば、球はロフトなりに上がる
ウェッジには大きめのロフトがついているので、特別な操作をしなくても球は上がります。球の高さを抑えることの方がかえって難しく、花道から転がしていきたい場合などで8番アイアンや7番アイアンを使うのは、ロフトが立っていて球が上がりにくいからです。
また、そもそも上に向かって飛ぶように作られているウェッジを、さらにすくい上げようとしたり開いて打とうとしたりするのはクラブの機能を信用していない打ち方といっていいでしょう。当然、スイング中に無理な動きが生じやすくミスの原因になります。
アプローチは、あくまでも振り子の動きに逆らわないようにストロークして、最下点でボールをとらえるのが基本。クラブにはロフトがついているので、自然とロフトなりの打ち出し角で球が上るものだと考えてください。それよりもさらに上げるロブショットは、特殊な状況でのみ使う打ち方です。
小さくかまえてヘッドをストレートに動かす
転がすストロークのコツは「スタンスを狭くしてクラブは短く握る」こと。
ボールの位置も自分の体に近く、小さなかまえになるので、クラブをまっすぐに引いてまっすぐに出すしやすくなります。また、手首を使わず肩を回すようにすれば、かまえた位置にヘッドが戻る再現性の高いストロークができます。
さらに、ごく近いアプローチの場合はほぼパターの延長と考えてかまいません。ただし、パターとショットでは握り方とかまえ方が少し違うので気をつけてください。パターのようにストロークするときはグリップもパターと同じように握ります。
フルショットの場合、親指以外の4本の指を鉄棒のようにグリップと直角に当てますが、パターのストロークでは斜めに当てて握ります。そうすることで、パターのようにクラブを吊ってかまえることができます。そして、パターと同じように肩でストロークすれば、インパクトが強く入りすぎない均一なストロークになり、打ち過ぎのミスもなくなります。
教えてくれた人:関 雅史(せき・まさし)プロ
関雅史プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。ニックネームはQP。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ