ゴルフクラブの性能をカチカチと調整するのも楽しみのひとつ!「カチカチ」付クラブを使ってみませんか?
2021.11.10
写真/Getty Images
“カチカチが面白い”と書くと、“カチカチって何?”と思う人もいるかもしれない。“カチカチ”とは、ゴルフクラブのライ角、フェース角、ロフト角、重心位置などを調整できる機能。
シャフトとヘッドを繋いでいる部分の調整やウエイトの移動が可能な機能がついているクラブがあり、そのことを“カチカチ”や“カチャカチャ”と呼んでいる。
最近のクラブ、特にドライバーに、この機能がついているものが多い。「テーラーメイド:M1 460」、「キャロウェイ:グレートビッグバーサ」などである。
ゴルフ用具にはルールが定められているが“カチカチ”は2008年からルールで認められている。飛び過ぎを抑えるためのクラブヘッドの反発規制が始まったのもこの年である。逆に、今までルールで規制されていたものが使えるようになった。カチカチはその一つである。規制だけは息が詰まるので、規制緩和も含めたルール改定が実施されたのだ。
“カチカチ”のメリットは何だろう? ゴルファーにとってみれば、何万円もするゴルフクラブを購入するときは、迷いがある。もちろん、試し打ちをして、スペックを決めるとしても、その時の調子によっても結果は違ってくる。また、練習やトレーニングをして、スイングやパワーが違ってくれば、当然、使用するスペックも違ってくる。ひと昔前は、クラブに人が合わせることが当たり前のように言われていたが、今はクラブが人に合わせてくれる時代である。“カチカチ”は人の打ち方が変わっても、クラブを買い替えることなく、人に合わせることができる便利な機能なのだ。
気に入ったヘッドをそのままに、シャフトだけを交換することもできる。ゴルフクラブを選ぶとき、特にシャフトの硬さやシャフトメーカーの選択には迷うことが多い。まず試打して一つの硬さやメーカーを決めるにしても、使っているうちに合わないと感じることもある。そんな場合、別のシャフトに交換することができる。寒い冬と暑い夏ではシャフトの感じ方も違ってくるので、季節によってシャフトを変えることもできるのである。
また、ゴルフ場でのスタート前練習で、例えば今日は何となくつかまりが悪い思うことがある。そんな時は、“カチカチ”でフェースの向きや重心位置を調整し、クラブのつかまりを良くすることもできる。本当に便利な機能である。
ゴルフクラブは大人のおもちゃである。いろいろなことを試せる“カチカチ”は、まさに遊び尽くせるおもちゃといえる。
文/嶋崎平人(ゴルフジャーナリスト)