中井学の「ゴルフ・フィジカルを鍛える」第4回~腰痛を防ぐ!手のケガを防ぐ!そして…練習はラウンド後にすべし?!
ケガ防止
ゴルフの最中に、ケガをしてしまったら楽しい時間が台無しです。
ここでは練習、あるいはラウンド中に起こりがちなケガのケースをいくつか紹介します。
知っておくだけでもケガの防止に役立ちますので、覚えておいてください。
■ アマチュアの腰痛は、ラウンド中の動作が原因
ゴルファーに多いのは腰痛です。プロゴルファーの中には練習しすぎ、あるいは疲労からくる痛みなどもありますが、アマチュアの多くは、スイング自体で痛めるより、腰に負担がかかる動作をすることで痛めてしまう人が少なくありません。
たとえば、ティアップやボールマーク、ボールをピックアップする際にかがみますが、この時に腰を痛めることがあります。
やはり、中腰の体勢は腰に一番負担がかかります。腰から上半身を倒すのではなく、両ヒザを曲げてまず腰を落とすことを習慣にしてください。少しかっこ悪いかもしれませんが、日常から動作に気をつければ、それほど難しくはありません。
■ 左手の手首と親指は絶対に壊さない
近年のゴルフクラブ、特にドライバーは、シャフトが長くなりしなり量が増え、またヘッド体積も大きくなったことで、スイング中における左手首や左親指根元にかかる負荷も大きくなっています(右打ちの場合)。
それにより、世界で活躍する何人ものツアープロが、この部分を痛めてその後調子を落とし、戦線から離脱しています。
カラダのケアに注力しているツアープロでさえ、思わぬケガをしてしまう弱い部分ですので、アマチュアゴルファーも練習またはラウンド中にいきなり故障する恐れがあります。そうならないためにも、ゴルフクラブを握る前は、入念にウォーミングアップを行いましょう。
(1) 左手親指の付け根をマッサージの要領でしっかり揉み込む
(2) 親指中心にして手首を内側に押し込み、次に外側に押し込む
一度この部分を痛めると、スイング自体が変わってしまうのはもちろん、スイング中に故障した記憶が植え付けられ、故障した箇所をかばう動作をしてしまい、スイング自体が崩壊します。
鍛えられない部分だからこそ、常に柔軟性を高めておくことがケガ防止になるのです。
■ 最も効果があるのはラウンド後の練習
ゴルフの心の不安についてとフィジカルについての連載コラムは今回が最終回です。
いろいろとお話ししてきましたが、みなさんの大きな目標はスコアアップだと思います。
では、どう取り組めばゴルフがうまくなるのでしょうか?
以前、ラウンド前日あるいはラウンド直前の練習は意味がないと述べました。最高の効果を生むのは、実はラウンド後の練習なのです。今日のラウンドで何がダメだったのかを重点的に復習することで、レベルアップにつながります。時間がなかったら50球でもいいです。それでも、ラウンド前に100球以上打つよりも絶対に効果があります。
プロはみんなそうやって毎日欠点を克服してより高いレベルを目指しています。ゴルフの上達はその繰り返しといっても間違いではないでしょう。普段の練習では、ただ何となくボールを打っていませんか。それは、スイングフォームを作るためにはいいのですが、実戦的ではありません。
ラウンド後なら、何を修正すればいいのかテーマを持ちながら練習できます。帰りに練習するアマチュアは、10人いても1人いるかいないかでしょう。もったいないことです。
いかがでしたでしょうか。ここまで読んでいただきありがとうございます。
ゴルフは考え方ひとつで上達できますし、反対にレベルを下げてしまうことも少なくありません。ここで紹介したテーマを参考にしながら、スコアアップ&レベルアップを目指してください。
教えてくれた人 中井学(なかい・がく)さん
JGTOツアープレーヤー/プロコーチ
1972年4月14日生まれ、大阪府出身。14歳からゴルフをはじめ、高校3年生で日本ジュニアに出場。卒業後に渡米し、大学選抜で活躍。97年に帰国し、2003年よりプロコーチとして活躍。15年はプロテストに合格し、16年、17年はJGTO(国内男子ツアー)東建ホームメイトカップに出場。現在はテレビや雑誌等のレッスン企画に携わるほか、東宝調布スポーツパーク(東京都)でレッスンを行っている。
<スタッフクレジット>
撮影/石上彰(gami写真事務所)
撮影協力/東宝調布スポーツパーク(東京都)