ゴルフで100切りするための新しい考え方とは?90台を出すコツを伝授
ゴルファーにとっての「100切り」は、最初の関門であり、目標にするスコアの壁です。
もちろん、コースの難度にもよりますが、いつまでも100が切れないゴルファーには、練習方法やマネジメントなど、何らかの要因がある可能性が高いでしょう。
また、長年ゴルフメディアで取材をする中で、近年は100を切るために必要なスキルや、考え方が大きく変化しています。
そこで本記事では、100切りのための最新の練習方法について解説します。
プロフィール:出島正登(いでしま・まさと)
1972年生まれ。和歌山県出身。ゴルフ歴35年。ベストスコア70。研修生やクラフトマンを経てゴルフ専門の出版社に入社。現在はフリーのゴルフライターとして、プロツアーの取材をはじめ、雑誌、ウェブ媒体で執筆活動中。年間取材数は300本以上。
ゴルフの100切りは難しい?アマチュアゴルファーの割合
現在、国内には男女合わせて約850万人ほどのゴルファーがいるといわれています。しかし、その中でコンスタントに100を切れるゴルファーは、そう多くありません。
2012年の公益社団法人日本パブリックゴルフ協会の「PGSゴルフ需要調査」によると、平均スコア100台のアマチュアゴルファーの割合は、ゴルフを始めて21年以上の人が38.2%というデータもあるほど…!
スコアで100を切るためには、パー72のコースでは27オーバーまでは許されます。つまり、1ホールを1オーバーのボギーペースでプレーすればいいはずなのに、なぜ100を切ることが難しいのでしょうか。
このスコアの壁について悩むアマチュアゴルファーは少なくありません。
ゴルフで100切りするのは、なぜ難しい?
100切りができるゴルファーと、できないゴルファーの違いはどこにあるのでしょうか。
ここからは、初心者が100を切れない理由について、「スキル編」と「マネジメント編」に分けて見ていきましょう。
100切りできない理由:スキル編
まずはスキルに着目してみましょう。
初心者が100切りできないと考えられる要因には、大きく下記の3つが考えられます。
ゴルフ初心者が100切りできないスキルにおける要因
● 真っすぐ飛ばせない
● クラブごとの自分の飛距離を把握していない
● いつでも状態のいいライ(ボールのある場所)から打つスイングでいる
最短でスキルアップを目指すために…!
ゴルフは、14本のクラブを使うスポーツです。
初心者のうちは「全部のクラブで真っすぐ飛ばすのが難しい」、「練習場と実際のコースでは、飛距離が違う」といった状況から、スコアがまとまりにくいゴルファーも少なくありません。
これらの悩みを持つ初心者こそ、最短でスキルアップを目指すために考え方を少し変えてみるといいでしょう。
近年は、練習に対する考え方が下記のように変化しています。
真っすぐ飛ばせる得意クラブは7番アイアンではなくドライバーに
ゴルフを始めるにあたり、一昔前は「7番アイアンでスイングの基本を体に叩き込む」といった考え方が一般的でした。
練習クラブとして7番アイアンが選ばれる理由は、14本のクラブの中心で、長さや重さも平均的だから。練習することで前後のクラブが打てるようになっていくという考えでした。
スイングの土台を固める意味では7番アイアンの練習も間違ってはいませんが、100を切ることを目的とするなら、ドライバーを重点的に練習するのもおすすめです。
ドライバーは長さがあり、ロフトが立っているため、最も難しいクラブと思いがちです。
しかし、実際のコースでは、ティーアップして打てるだけでなく、ティーグラウンドの中でフラットな場所を見つけてスタンスがとれるため、真っすぐ飛ばせる成功率はかなり高いクラブの一本と考えることもできます。
そのため、まずはドライバーで200ヤードを真っ直ぐ飛ばせるようになることを目指すのも手です。
クラブごとの飛距離やライによるスイング調整を考えるなら、ユーティリティーを多用する
一般的にゴルファーがプレーするコースのパー4の距離は、300~400ヤード程度です。ドライバーで200ヤードを打つことができれば、次の出番は7番アイアンではなく、ユーティリティーにしてみましょう。
どんなライからでも打ちやすいユーティリティーは、アイアンよりも球が上がりやすく、150~180ヤード程度の飛距離が出るクラブです。2打目でグリーンに乗らなくても、残り60ヤード内をアプローチで寄せることができれば、ダブルボギーを打つ可能性は少なくなるはずです。
初心者のうちは、ドライバー、ユーティリティー、ウェッジの3本を徹底的に練習し、そこにパッティングの練習をつけ加えれば、100を切ることが現実的になるのではないでしょうか。
100切りできない理由:マネジメント編
ゴルフはスキルだけでなく、コースを攻略するためのマネジメントが重要です。
また、メンタルが重要なスポーツともいわれるように、その日の考え方も大きくプレーに影響します。
初心者が100切りできない要因として考えられるのは、下記の2つ。
初心者のうちは、「コースでのミスショットが多いのは当たり前」という気持ちで臨むようにしましょう。
ゴルフ初心者が100切りできないマネジメントにおける要因
● ミスショットにとらわれがちになる
● 常にグリーンまでの距離を打つためのクラブを選択する
調子の悪さを受け入れる
ゴルフでは、「昨日できたことができなくなっていた」というのは日常茶飯事です。
例えば、スタート前の練習場でボールを打ったときに、ドライバーがいつものように真っすぐ飛ばず、右に曲がるスライスが多く出ることがわかったら、その日はスライスを防ごうとする打ち方をするのではなく、スライスが出ることを念頭に入れてゲームを組み立てましょう。
ミスを想定して、その曲がりを活かす方法を考えてプレーすれば、OBを打つ確率も低くなり、1ホールでの大叩きを防ぐことにもつながります。
グリーンまでの最短距離ではなく、安全策を優先させる
コースでは、ピンまでの残り距離に対して、常に最短距離を打とうとしないことが重要です。
グリーン手前に池やバンカーがあるときは、そこに入らない距離を打てる番手のクラブで手前に落とすようにし、林にボールが入ってしまったら、ライが平らなフェアウェイに出すことを優先するクラブを選ぶなど、リスクを回避するプレーをしましょう。
今日から実践!ゴルフで100切りするための練習ポイント
ここからは、ゴルフで100切りをするために、知っておきたい4つの練習方法を紹介します。
すぐに実践できる方法ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
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【練習方法1】ドライバーのスリークォーターショットで真っすぐ200ヤード
ドライバーを手にすると飛ばしたくなるものですが、ドライバーこそコンパクトに振るべきです。
最近のクラブヘッドは、スイートスポット(当たるとボールが最もよく飛ぶ、フェース面の真芯)が広く、スイング軌道が安定していれば、大きく左右にボールが曲がることはあまりありません。
肩から肩までの振り幅でスイングするスリークォーターショットで、しっかり芯でヒットすることを心掛けて練習しましょう。
▼ ドライバーの打ち方・スイングの基本を知りたいなら、こちらの記事もおすすめ!
【初心者必見】ドライバーの打ち方・スイングの基本をプロが解説!
【練習方法2】アプローチとパッティングの練習量を増やす
練習場に行かなくても、アプローチやパッティングの練習は自宅でも可能です。大事なことは、毎日クラブを握ること。
グリップの感触を体に覚えさせておくだけでも、繊細なタッチが出せるようになるものです。
また、練習場でも、アプローチ練習の割合を増やしてみましょう。
短い距離を打つ練習は地味で飽きがちですが、1球1球ターゲットを変えるなどの反復練習がおすすめです。
【練習方法3】アイアンよりもユーティリティーの練習を重視する
前述のように、一昔前はアイアンの練習がゴルフの基本といわれていましたが、ユーティリティーはアイアンよりも打ち損じが少なく、大きなミスを防ぐ効果があります。
初心者のうちは、難しいアイアンを10ヤード刻みでうまく打ち分ける練習よりも、楽に飛ばせるユーティリティーを自分のものにするほうが、スコアメイクの大きな武器になります。
【練習方法4】パッティングはロングパットとショートパットの練習をする
グリーンに乗ったら、2パット以内で上がる努力をしましょう。
せっかくパーオンしても、簡単に3パットしてしまってはもったいないですし、精神的にも引きずってしまいます。
2パット以内で上がるためには、ロングパットは距離感を、ショートパットは精度を上げる。2本立ての練習が効果的です。
ロングパット上達のワンポイントレッスン
ロングパットは、ある程度の感覚が重要になります。
最近、女子ツアーで復調しつつある堀琴音選手などは、インパクトでボールを見ずに、カップを見ながら打つことを実践しています。その理由は、振り幅(ストローク)ではなく、目で見た距離の感覚を重視して打つためです。
形にとらわれることなく、長い距離を打つ感覚をいかに活かせるかがロングパット上達のカギをにぎります。
ショートパット上達のワンポイントレッスン
ショートパットは、成功体験を積むのが上達の近道です。
1mの距離を、ひたすらカップインする練習をしましょう。
このとき、できるだけ良い回転でボールをカップに入れることを意識するようにします。
ゴルフの100切りまで最短距離を目指すなら、プロの力を借りよう
今回ご紹介した以外にも、ゴルフで100切りを目指すには、さまざまな練習方法があります。しかし、初心者のうちは特に、自分に合っている練習方法がわからないことが多いので、それを指南してもらうことが重要です。
レッスンは、マンツーマンからグループまでさまざまなスタイルがあり、いずれも個人のスキルに合ったやり方でプロにコーチしてもらえます。独学でも100切りは可能ですが、早く着実な上達を目指すなら、レッスンに通うことを検討してみてはいかがでしょうか。