【初心者必見】ダウンブローは難しい?正しい打ち方や練習法を解説

【初心者必見】ダウンブローは難しい?正しい打ち方や練習法を解説
ゴルフのスイングでダウンブローという言葉を聞いたことはあっても、「どのように打てばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ダウンブローの習得は、アイアンショットの精度を格段に上げるための近道となります。
そこでこの記事では、ゴルフ初心者の方に向けて、ダウンブローの基本と正しい打ち方のほか、効果的な練習法を解説。ダウンブローへの苦手意識をなくし、スコアアップを目指しましょう。
※本記事では右打ちの場合を想定して解説します。
知っておくべきダウンブローの基本
ダウンブローとは、ゴルフクラブが最下点に達する前にボールを打つスイングのことです。アイアンをダウンブローで打つと、クラブの本来の性能を最大限に引き出すことができます。
まずは、ゴルフ初心者が知っておくべき、ダウンブローの基本について詳しく見ていきましょう。
ダウンブローはヘッドの下降途中でボールにあたる軌道
スイングを正面から見たとき、ヘッドが描く円弧の最も底の部分が軌道の最下点となります。ちょうどこの最下点でボールにヒットするのが「レベルブロー」、最下点よりも先の位置でボールにヒットするのが「アッパーブロー」、最下点よりも手前の位置でボールにヒットするのが「ダウンブロー」です。
なお、ボールにコンタクトする際のヘッドが入る入射角は、最下点でコンタクトするレベルブローが±0だとすると、ダウンブローは-2~-5°くらいが適正といわれています。
アイアンはダウンブローと相性が良い
アイアンをダウンブローで打つべき理由は、クラブの構造にあります。クラブのフェース面には、ボールを上げるためのロフト角という傾斜があり、それを効果的に発揮させることができるから。
クラブが下降しながらボールを捉えることで、フェースのロフト角が効率良く機能し、適度なバックスピンが生まれ、狙ったところにピタッと止まるようになります。
重心の位置が高いアイアンは、ロフトを立てながらボールにコンタクトしなければ芯でヒットできません。つまり、ダウンブローに打つことできれいにヒットでき、スピンがしっかり入ってボールに高さを出すことができるのです。
ただし、最近はアイアンの進化により、重心が低いモデルも多く開発されています。いわゆる「マッスルバック」と呼ばれるような、ダウンブローに打たなければボールが上がらない高重心のアイアンとは異なり、レベルブローに入れてもしっかりボールにスピンと高さが出るモデルも増えています。
反対に、アッパーブローは最下点よりも先の位置でボールをヒットする打ち方になるので、ボールが地面から浮いている必要があり、ティーアップして打つことができるドライバーとの相性が良いです。
ダウンブローをマスターするためのコツ
「もっとダウンブローに振ってください」と指摘を受けると、ボールに対して上から下に鋭角に打ち込みたくなりますが、単純に軌道を鋭角にしてもダウンブローでは打てません。ここからは、ダウンブローに打つためのコツについて見ていきましょう。
スイングの最下点の位置はボールの先
ダウンブローをマスターするためにまず意識しなければならないのは、最下点の位置です。スイングの円弧の形は基本的に変えず、最下点の位置をボールの先に合わせること。
ボールの先の位置に最下点が来れば、鋭角にヘッドを入れようとしなくても、自然にダウンブローで打つことが可能です。
ボールの位置は真ん中よりも少し右足寄り
アドレス時のボールの位置は、両足の真ん中を基準に、クラブが短くなるにつれて右足寄りにします。両足の真ん中よりも、やや右足寄りにセットすることで、最下点よりも手前の位置でボールにコンタクトしやすくなるでしょう。
ただし、クラブが短くなるほど体の近くでスイングすることになるため、自然と腕を縦に振るような動きになります。軌道はアップライト(縦長)なので、鋭角に入りやすくなることを忘れずに。鋭角になりすぎてヘッドが地面に刺さらないよう、ボールの位置を調整してください。
構えはハンドファーストに
アドレスの基本は、手元の位置を左足股関節の前にセットすることです。その基本を踏まえて、ボールの位置を両足の真ん中にセットすると、インパクトの瞬間に手元がクラブヘッドよりもやや先にくる「ハンドファースト」の形になります。
ハンドファーストになったときの手首の角度が重要で、インパクトでこの角度が解けないようにすることがダウンブローで打つためのポイントです。インパクトで手首の角度が解けていると、最下点をボールの先の位置にすることができなくなります。
振り方は左足体重で、体の回転を意識
最下点の位置を意識し、アドレスで作ったハンドファーストの形をインパクトで再現するだけではダウンブローに打つことはできません。最も必要なのは体重移動です。トップからインパクトにかけて、左足に体重をのせながら体を回転させることで、最下点をボールの先の位置に移動させることができます。
上半身(肩や腕)よりも先に腰や股関節を回転させる下半身リードとよく表現されますが、プロや上級者はこの下半身リードが自然に行えているため、常にヘッドを上から入れることができるわけです。
プロや上級者のインパクト音を聞くと、乾いた「カツン」という音がします。初心者の方にとっては、トップしているような音に聞こえるかもしれませんが、これはヘッドが上から下にダウンブローに入っている証拠で、ボールをしっかりきれいに打てると出せる音です。
ただし、左足に体重を移動させることを意識しすぎて、目標方向に体が突っ込みすぎてしまう動きには注意してください。ボールに対して入射角が鋭角になりすぎて、ヘッドが地面に刺さったり、ダフったりする原因になります。
今日からできる!効果的なダウンブロー練習法
実際にダウンブローを身に付けるには、どのような練習をすればいいのでしょうか。続いては、ダウンブローの習得に効果的な練習法を、4つご紹介します。
布団叩き
布団やマットのようなものを、布団叩きや長い棒を使って、右手一本で叩きます。強く叩こうとすると下半身から動くため、下半身リードの感覚が習得できるでしょう。
また、強く叩くと右手首の角度が自然とキープできるはずです。これにより、ダウンブローに必要な、ハンドファーストでインパクトする感覚もつかむことができます。
ティーアップしたボールを芯で捉えて打つ
練習場では、ティーアップしたボールをアイアンでしっかり打つ練習も効果的です。入射角が鋭角すぎるとだるま落としのようになり、ボールは飛びません。下からあおるような打ち方もNGです。
最初は腰から腰の振り幅で、しっかりボールにコンタクトすることから始めてください。ボールだけを捉えてインパクトできたら、徐々に振り幅を大きくしていきます。
なお、ティーを打ってしまった場合は、最下点がボールの手前にあり、体重移動がスムーズに行えていないといえるでしょう。ボールの下をくぐってしまった場合は、ボールを下から上に向かって捉える軌道になっているということです。
このように、ミスが明確にわかるので、体の軸のぶれや体重移動がきちんと行えているかといったチェックに役立ちます。
左手一本の片手打ち
左手一本の片手打ちは、腕の力だけではクラブを振れないので、自然に全身を使ったスイングが身に付くはずです。
最初はボールが前に飛ばずにうまく打てないと思いますが、下半身を使ってしっかり体を使えるようになると、軌道が安定してボールにきれいにコンタクトできます。腕を使わないスイングができると、体と腕、クラブの関係性を保ったまま振れるようになるため、ダウンブローに振るための基本が習得できます。
ステップ打ち
ステップ打ちは、テークバックしたときに左足を上げて右足一本で立ち、そこから左足を踏み込みながらインパクトし、フィニッシュで右足を上げて左足一本で立つまでが一連の動きです。
左右の足でステップを踏みながら打つ練習によって、左右の体重移動をマスターすることができます。上半身(肩や腕)よりも先に、腰や股関節を回転させる下半身リードの感覚が身に付くことで、最下点が自然にボールの先の位置になり、意識しなくてもダウンブローに振れるようになるでしょう。
ダウンブローでよくあるミスと改善方法
ダウンブローは鋭角に振るものと思いがちですが、軌道が鋭角になりすぎると、ヘッドが地面に刺さって振り抜くことができません。また、その状態できれいにボールにコンタクトできたとしても、鋭角になるほどスピン量は多くなるため、番手どおりの飛距離を出すことができないこともあります。
大事なのは、無理に打ち込むことを意識するのではなく、振り方を変えずにボールにあたるタイミングを変えること。誤解と意識の違いによって、ダフりや、すくい打ちといったミスにつながってしまいますので、これらの改善方法についても知っておきましょう。
ダフった場合:ボールを上げる意識を持たない
ボールを上げようとすると、クラブのヘッドが下から入りやすくなり、ボールの手前を叩いてしまうダフりにつながります。また、インパクトの前に、手首の角度が早く解けてしまうのも原因のひとつです。
改善方法は、ボールを上げようとしないこと。例えば、ボールの手前にガムテープを貼って、ヘッドを強制的に上から入れる意識を強める練習がおすすめです。ガムテープにふれたら、ヘッドが下から入っている証拠となります。なお、練習場で行う際には、ガムテープが飛んでしまわないように注意してください。
ボールを飛ばそうとする意識はなくし、体と腕とクラブの関係性を変えず、手首の角度をキープしたまま体の回転でスイングするのがポイントです。
すくい打ちになった場合:左足の体重移動を意識する
すくい打ちは、ボールを上げようとしてクラブを下から上に振ってしまうミスです。主な原因は、体重が後ろに残ってしまうことや、インパクトで手首を使いすぎてしまうことにあります。
改善するには、左足への体重移動をしっかりと意識することが大切です。インパクトの瞬間、体重のほとんどが左足にのるように意識しましょう。
また、ボールの位置を少し右足寄りに置いたり、グリップエンド(クラブのグリップの端)をみぞおちから離さないように意識してスイングしたりすると、すくい打ちを防ぐことができます。
正しいダウンブローを身に付けて、一段上のゴルファーを目指そう
アイアンの進化により、昔ほどダウンブローに打たなくてもボールにはスピンがしっかり入って、高さも出せるようになりました。しかし、それでも地面にボールがある以上、ヘッドは必ず上から入れる必要があります。
コースでは、ディボット跡や少しボールが沈んでいるライなど、ダウンブローで打つことで対処できる状況が多くあります。ダウンブローで打てるようになれば、スピン量と高さを安定させてアイアンが上達するだけでなく、ラウンド中のさまざまな状況にも対応できる一段上のゴルファーに近づけるはずです。
ダウンブローに関するよくある質問(FAQ)
ダウンブローとはどのような打ち方のことですか?
スイング軌道の最下点よりも、手前の位置でボールにコンタクトすることをダウンブローといいます。スイング軌道の最下点でボールにコンタクトするのがレベルブローで、最下点よりも、先の位置でボールにコンタクトするのがアッパーブローです。
アイアンをダウンブローで打ったほうが良い理由は何ですか?
アイアンのクラブの構造を、最大限に活かすためです。アイアンは、クラブが下降軌道でボールを捉えたときに最も性能を発揮するように設計されており、ダウンブローに打つことで適正なバックスピンがかかり、グリーン上でボールをピタッと止めることができます。
また、打点のバラつきが減ることで、飛距離と方向性が安定し、ボールが最適な高さで飛んでくれるというメリットがあるからです。
初心者でもダウンブローを打てるようになるコツは?
ボールの位置を、両足の真ん中よりも右足寄りにセットします。スイング自体は変えずに、ボールの位置を右足寄りに寄せることで、スイング軌道の最下点の手前の位置でボールをヒットさせることが可能です。
ダウンブローを意識しすぎると起こりやすいミスとは?
手首を使いすぎて入射角が鋭角になると、ヘッドが地面に刺さる可能性があります。また、鋭角に入れようとして、インパクト直前で手首の角度が解けてしまうとダフる原因になります。
ダウンブローを習得するための練習法は?
手首の角度を変えずに、ハーフスイングでティーアップしたボールをしっかり打つ練習法が効果的です。振り幅を大きくすると手首の角度をキープしづらくなるので、慣れるまではハーフスイングでハンドファーストのままインパクトすることを意識します。
ボールにコンタクトしたときに芯でヒットできると、手に気持ち良い感覚が残るはずです。その感覚を覚えておくと、ダウンブローで打てたかどうか判断できるでしょう。