私の推しコース「ゴルフ練習場連盟事務局スタッフ・井樽淳子さんに聞く」美浦ゴルフ倶楽部
編集部:今回のゲストは、関東地域のゴルフ練習場200数カ所が加盟する、関東ゴルフ練習場連盟事務局スタッフの井樽淳子さんです。まず、ご自身がゴルフを始めた頃のお話聞かせていただけますか。
井樽さん(以下井樽):子供の頃にそろばん、ピアノ、英会話、スイミングなど沢山習い事をしたのですが、ゴルフはその中の一つという感覚で父と練習場に行ったのが、ゴルフを始めたきっかけでした。父の練習が済むと、「お母さんには内緒だよ」と喫茶店でスイーツを食べさせてもらえたのですが、それが当時の私には魅力でした(笑)。
実は先日、断捨離をしていて思い出のクラブを見つけたんです。幼かった私のために父が特別に作ってくれた子供用のパーシモンのドライバーです。小さな赤いヘッドに、なんと“J.I”とイニシャルまで彫ってありました。父はそんなに積極的にゴルフにハマっていたわけでは無く、いわゆる接待ゴルファーだったと記憶しているのですが、娘のためにとクラブを用意してくれた親心を今になって感じています。そのままゴルフを続ければ良かったのですが、周りでゴルフをする同級生がいるわけでもなく、学校でできる陸上やソフトボールに気持ちが移ってしまいました。
編集部:現在はゴルフ練習場の事業支援に関わるお仕事ですが、練習場の選び方を教えてください。
井樽:私が就職してゴルフを再開した頃は、まだ都心にも大きな練習場がいくつかあった時代で、「職場からのアクセス」と「営業時間」が選ぶポイントだったと思います。仕事が終わってから先輩や同僚と一緒に練習しました。
でも時代が変わった今は、「休日にお買い物のついでに寄れる練習場」であったり、「思い立った時にいつでも行ける24時間営業の練習場」など、特徴のある練習場が多くなっていますので、ご自身の目的に合う練習場を探すと良いと思いますよ。私も個人的に使い分けています。球筋を追うことの出来る距離のある練習場に行きたいか、スイングを固めるためにあえてインドアを選ぶか、など練習場の規模はやはり判断基準のポイントでしょうし、スイングを撮影できる機材のあるところや、トレーニングルーム、フィットネス機器設備、マッサージ院があるなど、今の練習場はどんどん新しいことを取り入れていますので、選択の幅が広がっています。
編集部:ゴルフ練習場をどう使って上達するかも、目的次第ということでしょうか。
井樽:そうですね、そのとおりです。先程申し上げた設備などのハード面で言うと、バンカーからのショットを練習したければバンカー練習場が必要ですし、思うように時間が取れない方は営業時間が長い練習場が良いですよね。
また、練習場を中から見ている立場で申し上げますと、企画・催しなどのソフト面も練習場選びの際には見て欲しいですね。打ち放題システムがあるか、レッスンは開催されているか、スクール併設かというゴルフ上達のための取り組みはもちろん、ゴルフに興味のない方でも時間を楽しく過ごせるようなイベント、例えば地域密着を図るために夏祭りを開催される練習場もあります。ご家族揃って楽しめる施設になっていることで、ゴルフにも良い印象を持ってもらえて一石二鳥だと思います。
美浦ゴルフ倶楽部
編集部:それでは井樽さんの「イチ推し」ゴルフ場を教えてください!
井樽:正直、日本全国津々浦々ありますが、その中でも今推すなら、名匠ロバート・トレント・ジョーンズJr.が“リスクと報酬”をテーマに創り上げた美しいコース、茨城県の「美浦ゴルフ倶楽部」です。
男女のメジャートーナメントの開催実績がある数少ないゴルフ場ですが、女子トーナメントを開催した際に、ある年はボランティアとして、またある年はキャディ研修を受けたうえでキャディとして数回参加させていただきました。プレーヤーとギャラリーを分けるロープの内側からトーナメントを体験出来たことは人生の宝物です。
数え切れないほど回っていますが、0番ホールと呼ばれる充実した練習場は本当に素晴らしく、一切逃げ道のない12番の谷越えショートホール、17番ミドルもトーナメントでは様々なドラマが生まれる挑戦しがいのあるホールですね。13番のロングホールはグリーンの近くまで行くと霞ヶ浦が見えてきます。このホールでバーディーを取ることを夢見てこれからも通い続けます。
教えてくれた人:井樽淳子(いたる・じゅんこ)さん
関東ゴルフ練習場連盟 事務局
東京都出身。リゾート運営会社、ゴルフ場運営会社を経て2015年より現職に就き、事務局とプロフェッショナル研修生を兼務。研修会には研鑽の場としてアマチュア宣言をした上で参加し、アマチュア競技に出場することが目標。ゴルフ歴は長いが現在の環境で研修会に参加しているここ数年が人生の中で一番真剣にゴルフに向き合っているとのこと。
取材・構成/キープペダリング