私の推しコース「ゴルフ漫画原作者・わたなべ桃太郎さんに聞く」静ヒルズカントリークラブ
編集部：今回のゲストは、ゴルフ漫画原作者としてご活躍のわたなべ桃太郎さんです。まずはご自身がゴルフを始めたきっかけを教えてください。
わたなべさん（以下わたなべ）：始めた、というか、始めようと思ったのは高校３年生の秋です。やるからには「プロを目指そう」と決めたんです、安直な性格なんで(笑)。それまでゴルフの本格的な経験はなかったんですが、兄に連れられて練習場に行ったことがあり、“マン振り”したときの気持ちよさに魅了されて「ゴルフだったら本気で打ち込める」と思ったんです。
その後は大学で４年間体育会系ゴルフ部に籍を置き、とにかく毎日ボールを打ちまくりました。大学３年生になる頃には地域の学生選手権で上位に食い込めるくらいになったので、あながちプロを目指したのも間違いじゃなかったかな。とはいえ、23歳で受けたプロテストではあえなく撃沈。そんなに甘いものじゃなかったですね。
その後、放送作家や漫画原作という仕事をするようになるのですが、ゴルフの経験がかなり活きました。放送作家はテレビ番組を作るわけですが、ゴルフ番組は多い割にゴルフに精通した放送作家が少なく、様々な番組から声を掛けていただけるようになりました。また、ゴルフ漫画に関しても、自分がずっと身近に見てきたこと、感じてきたことを題材に企画提案できるので楽しくて仕方ないです。
編集部：では放送作家さんとしてのわたなべさんに質問ですが、ゴルフをしない人を誘うための効果的な誘い文句ってありますか？
わたなべ：あります。ひと言でいうなら、「ゴルフって面白いぜ！」です。少し回りくどい言い方をすると、「ネガティブ要素」の排除と「ゴルフの愉しみ方」の提案です。まずはゴルフをやっていない人が抱く“なにかしらのネガティブなイメージ”を取り払います。多くの人は「お金がかかる」を理由に敬遠しますよね。でもボクとしては「そんな考え方はつまらない」と思います。「お金がかかるからやらない」ではなく「どうしたらお金を掛けずに始められるか？」を考える方が楽しいと思うからです。周りにゴルフをやる人は少なからずいるでしょうから、「俺orわたし、ゴルフ始めます！」宣言をして、「つきましてはお下がりのクラブを誰かいただけませんか？」と言えば、誰かしらくれる人が見つかりますよ。それにラウンド費用も車の乗り合いをしたり、アーリーバード（早朝ゴルフ）やお得プランを探せばかなり抑えられますよね。そうした方法を探す過程自体が、コミュニケーションを広げることにつながるので、もうそれはゴルフの醍醐味のひとつですよね。
次に「ゴルフの愉しみ方」の提案。ゴルフって100人いたら100通りの愉しみ方ができるのが魅力だと思います。“元気盛り”な男性は「若いキャディさんがたくさんいるゴルフ場」を探していくのもいいし、イケメン好きのお姉さまは「カッコいいプロがいるゴルフ場」を探せばいい。ボクは前から仲良くしたいと思っているけどなかなか交流を図る機会がない人を誘うのが好きです。さらにコンペにしちゃえば、みんなでワイワイ楽しくやれるので、より親密になれると思っています。とにかくその人なりの面白がり方が絶対あるので一緒に考えてあげればいいと思います。
編集部：3歳の娘さんもゴルフをやっているとか。ゴルフで何を身につけてほしいと思ってますか？
わたなべ：「ボクが大好きなゴルフを娘と一緒に楽しみたい」が目標なので、とにかく楽しんでできるように工夫しています。練習するときは必ず仲のいいお兄ちゃん、お姉ちゃんがいる練習場に行くとか。で、身につけてほしいものは「物語力」です。ゴルフって練習でもラウンドでも、そこに物語があると思っています。山あり谷あり、紆余曲折ですよね。それって意識しないと気にならないままに終わりますが、その物語を楽しむようになると「自分で考える力」も身につくようになると思うんです。どうしたらピンチが乗り越えられるかとか。「物語」を作る力が身につけば、将来、どんな職業についても楽しく生きていけると思っています。現にボクが楽しくて仕方ない毎日を送っていますので(笑)。
編集部：それではわたなべさんの「イチ推し」ゴルフ場を教えてください！
わたなべ：茨城県の「静ヒルズカントリークラブ」を推します。ジュニアゴルファーに向けた取り組みのあるゴルフ場を、と思って探して探して、やっとたどり着きました。練習施設がとても良いんですよ。練習場は280ヤードありますし、打席も多い。併設のショートコースは大きなグリーンで、メンテナンスも本コースと変わらない。関東の有力ジュニアが毎週末集まってきているという環境も腕を磨くのに最適ですよね。
ジュニアに優しいからと言って、コースは簡単じゃないところも気に入っているポイントです。娘も難しいゴルフ場を「ホームコース」にしておけば、試合で別のゴルフ場に行ったときに「あれ、いつもよりも良いスコアが出た」なんてことになって自信につながる…ってな物語を夢想しています(笑)。早く娘とラウンドしたいな！
教えてくれた人 わたなべ桃太郎（わたなべ・ももたろう）さん
放送作家／ゴルフ漫画原作者
1976年生まれ、愛知県出身。放送作家としてはバラエティや情報番組、スポーツ、報道、ドキュメンタリーなど幅広い番組の構成を担当。ゴルフ番組は『ゲームの決断～ゴルフ宮里道場PREMIUM～』（BSジャパン）などを手掛ける。漫画原作としては、GOLFコミック（秋田書店）『娘を絶対プロにするぞ！』『フィッター鹿又のクラナビ』など連載中。ゴルフが生きがいでありバイタリティーの源。ハンディキャップは4.8。
取材・構成／キープペダリング
