【初心者必見】ドライバーの打ち方・スイングの基本をプロが解説!
【初心者必見】ドライバーの打ち方・スイングの基本をプロが解説
ゴルフの魅力は、やっぱりドライバーで気持ち良く飛ばすこと。そう答えるゴルファーも多いのではないでしょうか。
14本のクラブの中で最も長さがあるドライバーは、ほかのクラブとは異なる注意点と打ち方があります。
今回は、気持ち良く真っ直ぐ遠くに飛ばすためのポイントを、坂口悠菜プロが教えてくれました。
岡山県出身。作陽高等学校ゴルフ部卒業後、名古屋商科大学ゴルフ部でキャプテンを務める。現在は南秀樹プロが主宰する3.7.3ゴルフアカデミー(香川県)でレッスンを中心に活動。丁寧でわかりやすいレッスンが評判の人気コーチ。
ドライバーの打ち方の基本
ドライバーがほかのクラブと最も異なる点は、ティーペグにのせてティアップしたボールを打つことです。
ティアップする理由は、ドライバーはクラブフェースについている傾斜(ロフトの角度)が立っているので、しっかり打ち出し角を確保するため。簡単にいえば、効率良く飛ばすために必要だからです。
▲ シャフトとフェース面の作り出す角度(ロフト角)が大きい=スピン量が増えてボールが高く上がりやすい
クラブヘッドがボールにあたる角度は、アイアンの場合とは異なってアッパー軌道となり、インパクトのイメージも変わってきます。
プロや上級者の中には、進化した今時のドライバーを効果的に打ちこなすため、ドライバーのスイングだけを別物として考えている人もいますが、初心者の場合は基本的にスイングのイメージはひとつだと思ってください。
ただし、クラブの長さや重さは物理的に異なるので、ドライバーならではの打ち方のポイントがあることを知っておくことが重要です。ここでは、右打ちの場合の打ち方の基本について、順を追って詳しく説明していきましょう。
1.ボール位置とスタンス幅
基本のボール位置は、7番アイアンの場合、両足の真ん中だとすると、ドライバーなら左足のかかと線上です。7番アイアンを基準にクラブが長くなるにつれて、徐々に左足寄りにボールをずらしていくと、ドライバーは左足かかと線上になるはずです。
また、スタンス幅に関しては、肩幅よりもやや広めが目安になります。正しくセットアップする手順は、まず両足をそろえた状態で体の中心にクラブのヘッドを置きます。次に左足を少し広げて、最後に右足を広げます。
このときに注意してほしいのが、手のポジションです。
ボール位置がアイアンと比べて中心より左になっても、手のポジションは常に左足の股関節の前にセットします。
2.ティアアップの高さとヘッドを置くポジション
ティアップの高さの目安は、ボールの頭(頂点)がドライバーのフェース面上部よりも少し出ている程度が理想です。
スイングの癖や高い球や低い球など、どのような球を打ちたいかによってもこの高さは変化しますが、自分の中で基準の位置を作っておくといいでしょう。
また、アドレスのときにヘッドをセットするポジションも、ボールから少し離して構えるのがおすすめです。
ボールにピタッとくっつけてセットするのも間違いではありませんが、初心者の場合はどうしてもボールにあてようとしてしまうので、自然と体が突っ込んでしまう原因になります。
少しだけヘッドをボールから離して構えることで、スイング軌道の最下点になり、ナチュラルなアッパー軌道でボールにコンタクトできるようになります。
3.テークバックからトップ
アドレスでできた両腕と両肩の三角形をキープしたまま、ヘッドを低く長く動かすイメージでテークバックします。トップでは体重が右足にのるように、しっかり胸を回してください。
このとき、右ひざが右サイドに流れないように我慢します。また、頭の位置はアドレス時の状態をキープするのが基本ですが、ドライバーのように長さのあるクラブを振る際は、遠心力で引っ張られるので、多少右側に動いても問題ありません。
4.ダウンスイングからインパクト
ダウンスイングからインパクトにかけて最も注意してほしいのは、体が左サイドに流れてしまうこと。
体重が左足にのっていくことは良いことですが、突っ込みすぎるとインパクトが詰まった状態になり、気持ち良く振り抜けません。
NGの例
▲ インパクトは通過点と考える。体が突っ込むと飛ばないし、ボールも上がらないので注意
ドライバーの場合、体の中に左右2本の軸があるイメージを持ち、右側の軸を意識しながら回転します。体重移動は意識しなくても自然に左サイドへ移行するので、右軸イメージで振るくらいで、ちょうど良い角度でボールにコンタクトできるはずです。
ボールにあてにいかずに、軌道の最下点にヘッドを戻すイメージで振ることで、インパクトが点ではなくゾーンになり、ボールを通過点として捉えられるようになります。
5.フォローからフィニッシュ
インパクトを意識せず、体の動きはダウンスイングからの一連の流れ(惰性の動き)だと思ってください。
インパクトで体が突っ込まずに、スムーズに体を回転させることができれば、体重は自然に左足にのっていきます。左足一本でバランスを保てる形が理想のフィニッシュです。
ボールを最後までしっかり見ることは、前傾角度をキープする上で大切なポイントですが、打ち終わった後も見続けると体の回転が止まってしまうので、スムーズに振ることができなくなってしまいます。インパクト後はボールを追いかけるイメージで、体をゆっくり起こすようにしてください。
このとき、右足のかかとを真上(空方向)に向けるようにターンさせると、体と腰がスムーズに回転してくれます。
初心者がドライバーを打つ際のポイント
初心者がドライバーを打つときに注意したいポイントは、「常に大きな面を意識すること」です。
ドライバーは体とクラブヘッドとの距離が遠くなるため、どうしてもクラブヘッドがボールにあたるポイントへの意識が消えやすくなります。
そこでおすすめなのが、ボールをフェースの面で捉える意識を持つために、ボールにあたる面が大きいテニスラケットなどを振る練習です。身近にラケットがなければ、右の手のひらをクラブのフェース面に見立てて動かしてみましょう。
ドライバーでボールが曲がらず、真っ直ぐに飛ばすコツは、いかにインパクトでクラブのフェース面をスクエア(ボールに対して直角に真っすぐな状態)に戻せるかどうか。手のひらでイメージした面の意識は、そのためにとても効果的です。
NGの例
▲ 手のひらが上を向いたり、下にかぶさったりしないようスクエアを意識する
初心者におすすめ!ドライバーの練習方法
続いては、ボールを打たなくても広いスペースがあればできる、初心者におすすめのドライバーの練習方法をご紹介します。
胸の高さのボールを打つつもりで素振り
ドライバーは、アイアンと比べてボール位置が左足寄りになるだけでなく、体とボールの距離も遠くなります。
体と腕の間隔は、基本的にこぶし2つ分のスペースを意識しますが、ドライバーの場合はもう少し離しても問題ありません。
理由はクラブが長くなる分、スイング軌道は地面に対して平行に近いフラットに払い打つようになるからです。
そこで体に覚えさせておきたいのが、「横振りの動き」です。
当然、アイアンよりもフラットに振る感覚が必要になるので、それを体感してもらう練習として効果的なのが、「極端な横振りの素振り」です。
具体的には、胸の高さにあるボールを打つつもりで素振りをしてみましょう。
クラブを横に振るためには、バックスイングで右ひじをたたむ動きが必要になり、フォローでは左手を右手が追い越す動きが必要になります。この素振りをすることで、腕のたたみ方がマスターできるので、ぜひトライしてみてくださいね。
また、横振りの素振りを行うメリットは、テークバックとフォローでヘッドの重さを感じやすくなる点もあります。クラブのヘッドの重さを感じないのは、正しく横振りができていない証拠。その状態で前傾してスイングしても、ドライバーに必要な軌道では振れていないことがわかります。
テークバックとフォローで、しっかりヘッドの重さを感じることを意識して振るようにしてみてください。
「横振りの素振り」のイメージ
ドライバーの練習は、全体の2割にとどめよう
ドライバーが気持ち良く飛ばせるようになると、ゴルフはもっと楽しくなります。
アイアンとの打ち方の違いがあることを理解した上で、練習に取り組んでみてください。
ただし、初心者の方に特に注意してもらいたいのは、ドライバーの練習のしすぎです。
ドライバーは「飛ばすクラブ(一番飛距離が出るクラブ)」なので、遠くにボールを飛ばそうとする意識が強くなりすぎてしまい、気づいたら体の動きが下からあおるようになってしまうこともあります。
スイングであおる癖がついてしまうと、ほかのクラブのショットに悪影響を及ぼしてしまうこともあるので注意しましょう。
例えば、練習場で100球打つときは、ドライバーは20球程度にとどめておくのがおすすめ。
実際、プロゴルファーは、ドライバーの練習をほとんどしません。
新しいクラブやシャフトを試す場合には、ある程度の球数を打ちますが、トーナメント中などはチェック程度で、ほとんど練習してはいないのです。
初心者のうちは、ドライバーのスイングによって、せっかく固まってきた自分のスイングを崩してしまう可能性があるので、練習のしすぎにはくれぐれも注意してくださいね!
取材協力
ロイヤル高松カントリークラブ
3.7.3ゴルフアカデミー