私の推しコース「ゴルフYouTuber・小林一人さんに聞く」久美浜カンツリークラブ
編集部:今回のゲストは、あらゆる媒体で情報を発信し続けているゴルフジャーナリストでYouTuberの小林一人さんです。出身大学ではゴルフ部だったそうですが、仕事としてゴルフ業界へ関わるようになったいきさつは何だったんですか?
小林さん(以下小林):電通時代に配属された雑誌局で「GOLF TODAY」の創刊作業に携わったことがきっかけです。電通は家業を手伝うため3年で退社し、建築資材の商社の仕事に携わっていました。そこへ、「GOLF TODAY」から編集長として立て直しをしてもらえないか、と依頼がありました。28歳でした。家業はクリエイティブな要素がなく、一生やるのは難しいと考えていたときの誘いでしたので、受けたわけです。家業の傍ら、ムックなどをアルバイトで作ったことがあり、編集という仕事が自分に向いていることはわかっていました。編集長をやらせてもらい、幸い部数を大きく飛躍させることができました。その後、もうこれぐらいでいいだろうと思い辞めました。忙しすぎましたし(笑)。
編集部:ゴルフ雑誌のお仕事で能力を発揮されたわけですが、大学入学以前にもゴルフはされていたんですか?
小林:はい。父がシングルゴルファーでオシャレでカッコよくて、真似したくて。練習についていったりしているうちに自然に私も始めていました。ゴルフ場のクラブハウスで姉と一緒に父を待っているなんてこともよくありましたね。大学でゴルフ部に入りましたが、ついに父には勝てませんでした。
編集部:ゴルフ界を代表するYouTuberとしてご活躍の小林さん。紙媒体の編集長をされていたご経歴からいまのYouTubeを中心とする動画の仕事に移行されたそのきっかけは何かあったんでしょうか?
小林:ゴルフというスポーツ、特にレッスンという分野を表現するには紙では限界があるからです。10年ほど前に、これからは動画が主になるだろうと思い動画制作に主軸を移しました。また広告モデルのメディアもいずれ立ちいかなくなると思ったので、最近はYouTubeに主軸を移しつつあります。さらにいえば、アーティストとして仕事をしたい、というのも大きな理由です。作ってから値段が付くのがアーティスト、値段と注文に応じて物を作るのが職人。私は自分の思うように動画を作りたいし、実際作っているので。楽しく作って、後からお金がついてくるYouTubeの仕組みは絶好の仕事場なわけです。
編集部:それでは小林さんの「イチ推し」ゴルフ場を教えてください!
小林:京都府にある「久美浜カンツリークラブ」です。理由は、私のほかには推す人がまずいないだろうということと、ここは知られざる宝石の原石のようなシーサイドコースだからです。海をリアルに感じるシーサイドコースは日本には少ないですが、ここはコースに海が入り込んでいます。
2番から6番まではまさに、海の隣でプレーするかのような感覚。海越えになる3番のセカンドなんて、ちょっとほかにはありません。
メンテナンスが完璧かといえばそんなことはないのですが、その素朴で自然な感じがいいんです。コースの造形も、どう攻めたらいいかという想像力をかきたてられますし、プレーヤーの遊び心を刺激します。近くには穴場な城崎温泉もあるし、旅&ゴルフには最高の目的地ではないでしょうか。
教えてくれた人:小林一人(こばやし・かずと)さん
有限会社オープンフェイス 代表取締役
1966年生まれ、神奈川県出身。東京大学在学中はゴルフ部に所属。卒業後は広告代理店電通を経てゴルフ専門誌『GOLF TODAY』編集長に就任。部数を飛躍的に伸ばした後にフリーのゴルフジャーナリストとなる。スイングに関する膨大な知識と理解力はトッププロやプロコーチから一目置かれ、彼らとのコラボで世の中に発信したレッスン書は大勢のゴルファーに影響を与えている。
日本初の上級者向け、コアな情報を知りたいゴルファー向けレッスン動画サイトYOU TUBEチャンネル「HIGH SPEC GOLF」では自身がナビゲーターを務める。
取材・構成/キープペダリング